[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:23連敗からのリスタート(都立三鷹中等教育学校)
ゲキサカ / 2016年5月31日 19時37分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
GKの武田啓介がファインセーブを連発すれば、CBの湯浅辰哉を中心とした守備陣も必死に粘って水際で踏ん張り続ける。2014年12月30日。駒沢陸上競技場。絶対的な優勝候補と目されていた東福岡高校を向こうに回して、都立三鷹高校に通う“普通の高校生たち”は前半の40分間を無失点で切り抜ける。後半にセットプレーから2失点を許し、最後は0-2で敗れたものの、その大健闘と言っていい戦いぶりに1万5千人を超える観衆から大きな拍手が送られた。そんな先輩たちの姿を当時1年生の芝崎鉄平は「緊張とかじゃなくて凄く楽しんでいるというか、最後だからなのか自分たちが今までやってきたことを全部やれているみたいな感じがありました」とベンチとアップエリアから見つめていた。高校選手権という最高の舞台で全国にその存在をアピールしてみせた都立三鷹。ところが、その“1敗”はそれから強いられる悔しい日々の幕開けでもあった。
選手権の躍進の熱も覚めやらぬ中、新チームで初めて挑んだ公式戦はT2リーグの開幕戦。このゲームで東海大高輪台高校に0-5と大敗した都立三鷹の歯車は、少しずつ狂い始めていく。リーグ戦5連敗で迎えた関東大会予選は初戦で0-1と惜敗。さらにインターハイ予選もやはり0-1で初戦敗退。「新チームが始まった時期も遅かったので、時間がない中で『やろう、やろう』と先輩たちが頑張ってくれていたんですけど、『自分たちが付いていけなかったんじゃないか』『もっとできたんじゃないか』と凄く後悔している所はあります」と芝崎が話せば、佐々木雅規監督も「いつ勝てるかなと思っていたんですけど、これが“負けグセ”なのかなと。見ていても『いつか点を取られるだろうな』という負のスパイラルは感じました」と当時を悔しげに回想する。1年前は “奇跡”とも言うべき東京制覇を達成した選手権予選。その“奇跡”を演じた先輩たちが多数応援に詰めかけた初戦も、後半に入って2点を先行される苦しい展開に。チームの中でただ1人全国のピッチに立った吉野秀紀が終了間際に執念で1点を返したものの、直後に3点目を叩き込まれて万事休す。残されたリーグ戦でも勝利を味わうことは叶わず、まさかの公式戦21戦全敗という結果で都立三鷹の2015年度は幕を閉じることとなった。
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