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[U-16インターナショナルドリームカップ]スコア以上に見えた差…U-16日本代表はマリに逆転負け

ゲキサカ / 2016年6月24日 23時25分

 そして迎えた38分、日本は縦パスを受けた宮代が右スペースへ走る久保へパスを通す。これを受けた久保が2度の切り返しからさらに縦へ持ち出して中央へアイディアあるラストパス。これを「久保選手から良いボールが来たので、フカさないことを意識していました」という平川が右足ダイレクトボレーで合わせてゴール右隅へ沈めた。強敵からの先制点。控え選手の下に走り寄った平川に自陣からGK谷も駆けつけて祝福した。それほど大きな1点を奪った日本は42分にも平川のインターセプトから巧みにDFを外した中村が決定的な左足シュートを打ち込んだ。

 個々の差は見えたものの、1点リードで前半を折り返した日本はハーフタイムに左SB桑原を菊地健太(JFAアカデミー福島U18)へスイッチ。その日本は後半6分にも久保の斜めのパスがPAの中村に通り、決定機を迎える。だが、決めきれず、逆に連続失点を喫してしまった。直後の7分にGKからのキックを中盤で拾われるとMFママドゥ・サマケに中央で立て続けに3人がかわされてPAまで運ばれ、同点に追いつかれてしまう。さらに11分には中央をワンツーで打開されると、最後はシュートのこぼれ球をクリアできず、MFシビリ・ケイタに左足で決められてしまった。

 森山監督が「(あのようなやられ方は)見たこと無い」というほどの2つの失点シーン。中央から2人、3人を打開してゴールをもぎ取ったマリに対し、日本は強い向かい風の中で思うような攻撃ができない。アフリカ系選手特有の球際で足が伸びてくる感覚のプレッシャーに悩まされ、また後半は相手の守りを意識しすぎたか、イージーミスが増えてしまう。加えて後半はいい形でボールを奪うシーンが減少。身体能力に加え、局面で簡単にボール失わない技術も見せる相手に日本はPAまでボールを運べなくなってしまった。

 16分に中村に代えてFW棚橋尭士(横浜FMユース)を投入し、21分には平川を中央、棚橋を左サイドへ動かす4-5-1の形へ。さらに29分には桂に代えて成瀬竣平(名古屋U18)を左MFに入れ、棚橋を右MF、久保を中央、喜田を右SBへ移動させた。中盤の守りを厚くしてからの攻撃など何とかしようとする姿勢は見えたが、プレススピードの落ちない相手に再三ボールサイドの攻防で敗れ、またミスパスを引っ掛けられるなど一気に自陣まで押し戻されてしまう。終了間際の47分にはミスから迎えた決定的なピンチでGK谷が相手FWとの1対1をビッグセーブしたが、それでも日本が後半に放ったシュートは7分に中村が放ったわずか1本。試合終了の笛が鳴ると、日本の選手たちががっくりと腰や膝に手をつく中、マリのベンチから選手、スタッフが飛び出して優勝したかのように喜んでいた。
 
 U-16日本代表はこれが16年の国際試合初黒星。森山監督は「こういう相手と戦わないと。ワールドカップ準優勝の国なんで、五角以上に戦えないと(世界で)上にはいけない」。この日の日本は良く戦っていた。それでも力の差はあった。マリと同じことができることではないが、日常からこの日のマリが見せたような迫力ある守備など意識して行い、差を埋めていかなければ世界では勝てない。このレベルの相手を止め、ゴールを奪えるようにならなければならない。平川は「チーム帰ってもこの基準でやらないといけない」と語り、喜田も「最終予選は3か月後なんで日々の練習からやっていきたい」と引き締めた。日本は26日の今大会最終戦でメキシコと対戦。この日体感したレベルを忘れずに試合、トレーニングに臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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