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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:復権の予感。上州のゼブラ軍団、広島を駆ける(前橋商高)

ゲキサカ / 2016年6月29日 20時32分

[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:復権の予感。上州のゼブラ軍団、広島を駆ける(前橋商高)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 開口一番「体に悪いや」という言葉が自然と口を衝いて出る。自らの母校を率いることになって3シーズン目。4年ぶりとなる夏の全国切符を手に入れた前橋商高を率いる笠原恵太監督は、そう言って苦笑いを浮かべつつ、同時に安堵の表情もその顔に滲ませた。舞台は高校総体の群馬県予選決勝。伊勢崎商高を延長戦の末に2-1で振り切った上州のゼブラ軍団“マエショウ”が、久々に全国の舞台へ帰ってくる。

 高校選手権では第67回、第68回と2大会連続で全国ベスト4まで進出し、国立競技場のピッチで躍動。以降もコンスタントに全国大会への出場を重ね、元日本代表の高橋秀人(現FC東京)や岩上祐三(現大宮)、清水慶記(現群馬)など数々のJリーガーを輩出している、群馬が誇る名門の前橋商。だが、記録を遡ってみると最後に選手権予選で群馬を制したのは12年前のこと。近年は台頭してきた桐生一高の壁に上位進出を阻まれることも多く、永遠のライバルとも言うべき前橋育英高との“県内2強”の座は、その桐生一に奪われてしまったと見る向きも少なくない。在学時には国立の芝生を踏んでいる笠原監督も、「本当は王者の戦いとかもしたいんですけどね」と前置きしながら、「選手も『まずは守備』ということをきちっと理解して、『それができなければ攻撃の練習をしてもしょうがないだろう』という形で取り組んでくれています。どうしても我々は一番手じゃないですからね」と現実を見据えたチーム作りに着手している。

 昨年のチームは非常にまとまりのある好チーム。5月の県総体で優勝を飾り、臨んだ関東大会ではその半年前の高校選手権で全国4強を経験した選手も数多く擁していた日大藤沢高と激闘を展開。2-2からのPK戦で涙を飲んだものの、敵将の佐藤輝勝監督も「いやあ、“マエショウ”は嫌なチームでしたねえ」と最大限の賛辞を口にした。直後の総体予選では準決勝で桐生一に0-1で敗れたが、秋の選手権予選は順当に勝ち上がり、準決勝で前橋育英との“前橋クラシコ”が実現する。ただ、チャンスの数でみれば前橋商が上回っていたゲームは、試合終盤の後半36分に失点を許し、結果的に0-1で惜敗。笠原監督も試合後に「やっぱり黄色と黒と白黒の縦縞が対戦する意味は本人たちもわかっていますし、こちらが触れなくても自然に気持ちは入っていたと思います。総合的な力は向こうが上だと思いますけど、この試合に関してはチャンスがあったので残念ですね」と悔しさを露わにする。終わってみれば総体予選も選手権予選も県ファイナルのカードは前橋育英対桐生一。手応えを掴みつつも、“新・県内2強”との差を突き付けられる1年となった。

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