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「東京五輪への推薦状」第18回:県立検見川の眠れる逸材、大型CB寺崎周は真の怪物になり得るか

ゲキサカ / 2016年6月30日 19時30分

「東京五輪への推薦状」第18回:県立検見川の眠れる逸材、大型CB寺崎周は真の怪物になり得るか

 2020年東京五輪まであと4年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ

 決して全国的強豪とは言えない公立校からユニークな選手が出てくることがある。高校サッカーの面白さの一つとも言えるだろうし、この手の話で真っ先に名前が挙がるのは都立久留米高(現・東久留米総合高)出身の中村憲剛(現川崎F)だろう。また、同じ川崎Fで活躍していた元日本代表DF寺田周平氏(現・川崎F U-15監督)の名前を挙げる人もいるかもしれない。神奈川の県立横須賀高出身。やはり強豪とは言い難いチームだが、そうした環境から這い上がって、日の丸をつける選手となった。

 高校総体千葉県予選準々決勝では、そういう可能性の芽を見付けた気になった。流通経済大柏高のホームグラウンドで、「千葉の横綱」に挑んでいたのは千葉県立検見川高。試合内容は厳然たるレベル差も感じさせるものだったが、粘りに粘って0-1の惜敗という結末だったが、絶望的に押し込まれる状況の中、最終ライン中央で奮闘を続けたCB寺崎周のプレーは何とも印象的だった。

 検見川の指揮官は、かつて習志野高や千葉県国体選抜などを鍛え抜いた熟練の水庫祥元監督。かつて率いた名門・習志野とは異なり「普通の選手が普通に入ってくる普通の県立高校ですよ」と笑うが、しかし確実にチームを鍛えて今年から県1部リーグに昇格させるまでに仕上げてきている。そんな千葉の名将に寺崎の話を振ってみると、「今年の検見川は彼なしでは考えられない。上のレベルに行ってやれる能力はある」と思っていた以上に明確な答えが返ってきた。

 寺崎は千葉市立幕張本郷中学校の出身。中体連でプレーしており、「トレセンなどはまるで入ってなかったし、ウチにも普通に入ってきただけ」(水庫監督)と言うし、本人も「そもそも高校でサッカーを続けるかも決めてなかった」と笑って振り返る。当然ながら入部当初は「まるで目立った存在ではなかったと思う」と指揮官。チームでは一番下のカテゴリーからのスタートとなり、「長所を生かせるようにならないと厳しいと言われて」185cmの高さを活用するため、ひたすらヘディングの練習に励むこととなった。そして迎えた2年生の夏、寺崎は大きな転機を迎える。

 進学校でもある検見川は総体予選を最後に引退する選手も少なくない。レギュラーのDFが部から離れ、寺崎に白羽の矢が立つことになった。「『ここはあの大きいやつを鍛えてみるか!』という感じだった」と水庫監督は振り返るが、本番に強いタイプだったのか、「使ってみたら予想以上。ものすごいスピードで成長していった」(同監督)。

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