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誰かのためにプレーすること、明治大GK服部主将の“改革”と日本一への道

ゲキサカ / 2016年8月16日 14時21分

誰かのためにプレーすること、明治大GK服部主将の“改革”と日本一への道

[8.14 総理大臣杯決勝 明治大1-0順天堂大 ヤンマースタジアム]

 誰かのためにという思いは、限界の一歩先へ足を突き動かした。明治大は順天堂大を1-0で下し、総理大臣杯全日本大学トーナメント初優勝を遂げた。2013年、2015年と二度も準優勝に泣いていたが、悲願の戴冠となった。

 今季の明治大は、これまで以上にチームのために戦うという意識がそれぞれの中に深く刻み込まれていた。先発した11人は、起用してくれた監督・スタッフへ応えるため。後輩は悔しさを経験してきた先輩のために。上級生は過去に涙を流して卒業していったOBのために。様々な立場で各々が誰かを思って戦った。その先にあったのが日本一だった。

 チームを率いるGK服部一輝(4年=札幌大谷高)主将は「今年は三冠というものを目標に掲げていて、今日の試合で勝てなかったら、今年立てた目標が消滅してしまっていた。そういう中での責任感と、主将としてチームを日本一に引っ張っていかないといけないという思いを感じていました。日本一になるという責任を果たせて、ホッとしています」と笑顔をみせた。

 昨季の明治大はFW和泉竜司(現・名古屋)や当時3年生のDF室屋成(現・FC東京)を擁しながらも、総理大臣杯準優勝。全日本大学選手権(インカレ)では準決勝で敗れた。“黄金世代”の先輩たちでも日本一を取れない現実に、当時3年生だった服部たちは「まだ何か足りないものがあるんだ」と考えさせられたという。

 そして新チーム始動直前の2月、服部ら新4年生はまずミーティングの“改革”に着手した。これまでは4年生や主将のみが前に出て話す方式だったが、大幅にやり方を変更。毎週ひとつの議題を設定し、全員を6グループに分けて、仕切るのは下級生の役割にした。そしてグループ毎でのディスカッション後、まとめた内容を代表者が全員の前で発表する方式にした。

 DF小出悠太(4年=市立船橋高)は「下級生がミーティングから意見を出せれば、ピッチでも先輩へはっきり言えるようになるんじゃないか」という狙いだったと説明。服部は「全員に話す機会を与えたこと。それを毎週積み重ねたことが“考えること”へのアプローチになったかな」と言う。

 “新ミーティング”を重ねる中で、チーム内の風通しはさらに良くなった。学年関係なく、想いや考えを分かち合えるようになり、ピッチでの意思疎通もスムーズになった。下級生は戦術理解度が進んだとともに、上級生のこの1年へかける思いを強く感じとった。上級生は下級生のリアルな心境を知った。互いをさらけ出し、ぶつかることで組織としての円熟味は増し、各々の思いに応えたいという気持ちが芽生えた。

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