[選手権予選]“PK要員”のMF野本が出場20秒でV弾!帝京長岡が堅守と延長後半ラストプレーの一撃で決勝進出:新潟
ゲキサカ / 2016年11月8日 12時12分
[11.6 全国高校選手権新潟県予選準決勝 帝京長岡高 1-0(延長)長岡向陵高 新発田市五十公野公園陸上競技場]
第95回全国高校サッカー選手権新潟県予選準決勝が6日に行われ、帝京長岡高が延長後半終了間際にMF野本太一(2年)の決めた決勝点によって長岡向陵高に1-0で勝利。帝京長岡は11月13日の決勝で3年ぶりの優勝を懸けて新潟明訓高と戦う。
延長後半10分、帝京長岡は右CKを獲得したタイミングで2年生アタッカー・MF陶山勇磨に代えて「PK要員です。あとはインターハイ決勝のときにアイツがCKから取っているので期待して」(古沢徹監督)という野本をピッチへ送り出した。野本が敵陣ゴール前へ走っていくまでの間、主審と副審はコーナー近くで「あと何秒?」「20秒です」というやり取り。アディショナルタイムはゼロだったため、まさにラストプレーだったCKをMF安田光希(2年)が左足で蹴り込むと、わずか15秒か20秒前に投入されたばかりの背番号8の頭を経由して、ボールはゴールネットを揺らしていた。
右手を突き上げて走り出した野本にチームメートたちが笑顔で駆け寄る。その口々から発せられたのは祝福の声よりも「何で、オマエが!」という言葉。ニアサイドへ走り込み、1タッチのみでヒーローになったMFは「いつもニアで潰れろと言われて。来ると思っていなかった」。エースFW楜澤健太(3年)は「(交代した陶山)勇磨と野本だったら、勇磨の方がヘディング強いんで、なんで(代えるの)かなと思っていた。でも、このあとPKだからラストプレーなんだろうな、じゃあオレらが決めてやろうと思っていたら、アイツが決めちゃってびっくりです」。直後に試合終了の笛。本人たち含めて“意外”なヒーローが生まれることになったが、劇的な決勝点によって帝京長岡が昨年に続く決勝進出を果たした。
長岡向陵との長岡ダービー。プリンスリーグ北信越では4月の対戦で4-0、9月の対戦でも5-0で快勝している帝京長岡だったが、この日は苦しい戦いとなった。プリンスリーグでは登録起用が可能な中学生のU-16日本代表候補MF谷内田哲平(長岡JY FC)が不在。またGK深谷圭佑主将(3年)が「選手権の場合は1点取られたら厳しい局面にもなってしまう」と語ったように、本来のテクニカルなスタイルよりもややロングボールが増え、リスクを負ってボールを繋いで攻めることができなかったこともある。そして、何より長岡向陵の健闘が光った。長岡向陵の最所順之監督が「帝京さん相手に失点したくないという状況の中での修正を一生懸命やって、できた。守備の面は(帝京長岡は)10番(楜澤)、14番(陶山)がストロングポイントなので、そこをいかに消すか。動き方をオフの動き方含めて彼らに伝えてそれを上手く体現してくれた」と説明したように、相手の良さを上手く消しながら、FW外山光、MF田中龍成という2年生のタレントやFW山本貴大主将(3年)がキープ力を発揮しながら繰り出す攻撃も効果を発揮。18分にはFW小川大翔(3年)と田中で左サイドを崩して先に決定機を作り出すなど互角に近い戦いを見せていた。
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