[MOM1952]帝京長岡GK深谷圭佑(3年)_1年前のリベンジ達成!守護神を奮い立たせた3年生のサプライズ
ゲキサカ / 2016年11月20日 6時57分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.13 全国高校選手権新潟県予選決勝 帝京長岡高 4-0 新潟明訓高 デンカS]
やはり同じように全国を決めた総体予選決勝以来の“ラインダンス”。スタンドを見上げた視界の先に、声援を送り続けてくれた3年生の笑顔が飛び込んでくる。「みんなが本当に喜んでいるというのがスタンドを見ていてもわかったので、あれはもう最高ですね」という深谷圭佑。チームを束ねてきたキャプテンは歓喜のダンスに身を委ねながら、前日のミーティングの光景を思い出していた。
帝京長岡高にとっては3年ぶりとなる冬の全国出場が懸かる決勝前日。「3年間でこれがラストだったので、最後の冬は絶対全国に行こうと思っていました」という深谷の言葉を待つまでもなく、チームのモチベーションも十分。最後の1試合に臨む覚悟も決まり、最高のムードでミーティングが終わった。
すると、古沢徹監督はおもむろにパソコンを取り出す。「『いきなり何をするのかな?』と思った」という深谷たちをよそに、指揮官はある動画を再生した。それはメンバー入りの叶わなかった3年生たちが作成した“モチベーションビデオ”。1人1人が自らの抱えていた気持ちを吐露しながら、メンバーにエールを送る内容だったという。「それを見る前にも『試合に出られない3年生の冬を終わらせないためにも頑張ろう』という気持ちはあったんですけど、そのモチベーションビデオを見て、『本当にコイツらとまだサッカーをやりたいな』という気持ちが全員に出て、全員で泣きました」と深谷。「これからもずっと思い出というか、宝物になっていくと思います」(深谷)という最高の“サプライズ”でチームの一体感はさらに強固なものになる。
加えてGKの深谷には果たしたいリベンジがあった。ちょうど1年前。相手は同じ新潟明訓高。舞台も同じビッグスワンでの選手権予選決勝。2年生守護神として全国切符を巡る一戦にスタメン出場したが、後半早々にCKから連続失点を許し、逆転されてしまう。一旦は追い付いたものの、試合終了間際に強烈なシュートを叩き込まれ、チームは決勝で敗退。「自分がキーパーとしての役割を1つもと言っていいくらい果たせなかったですし、本当に申し訳ないというか、力不足だった自分が悔しいです」とその試合を振り返った深谷。そこから意識も大きく変わった。
「去年が終わってからは誰よりもみんなに声を掛けて、残って練習してという形で、とにかく練習を本当に一生懸命やっていましたね」と彼について古沢監督が言及すれば、「アイツは何かムカつきます(笑) 練習で『良いコースに行った』とか『コレは絶対入った』みたいなシュートを弾き出したりするので、そこはムカつきますね(笑)」と独特の表現でキャプテンを評価するのは10番を背負う楜澤健太。そのことを伝え聞いた深谷は、「嬉しいですね。これからは止めた後とかにガッツポーズとかしてもっとムカつかせたいです。そうしたらシュートもうまくなると思うので」と笑顔を見せる。総体予選で無失点優勝を飾ったチームは、今大会も準決勝まで無失点を継続。「去年よりシュートを止められている実感はあって、これまでよりも安定した守備は1年間通じてできていたのかなと思います」という守護神は、確かな手応えを持ってリベンジのピッチへ飛び出した。
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