[MOM1952]帝京長岡GK深谷圭佑(3年)_1年前のリベンジ達成!守護神を奮い立たせた3年生のサプライズ
ゲキサカ / 2016年11月20日 6時57分
今や“定番”になりつつある帝京長岡と新潟明訓の新潟ファイナルは、序盤こそ新潟明訓が押し込んだものの、帝京長岡は前半24分に楜澤が先制ゴールを奪うと、2分後に陶山勇磨が追加点。さらに31分にも木村勇登がヘディングをゴールへ突き刺し、前半だけで望外の3点リードを手にしてみせる。ただ、後半に入ってロングスローを投げる稲見直也の投入で、ビハインドを追い掛ける新潟明訓の圧力が強まる中、後半7分にはその稲見のロングスローの流れから、クロスに合わせた小竹直輝のヘディングが帝京長岡ゴールを襲う。ここに立ちはだかったのが深谷。「ボールが来たら止めようということだけ考えていたので、反応というよりは反射的に体が動いた感じ」とワンハンドでボールを弾き出すと、その直後のCKもゴール前の混戦から打たれたシュートに、体全体を投げ出してファインセーブ。「去年の決勝はCKで2本やられたので、本当にCKはこの1年で安定した守備を見せられるように練習してきた」という成果をこの大舞台でしっかり披露する。
圧巻は後半36分。4-0と点差が開いた終盤に帝京長岡はPKを与えてしまう。嫌な空気が流れ掛けた中で、「ずっとアイツを見てきたので、『止めてくれるんだろ』みたいな感じでした」という楜澤の予感は的中。自らの右に飛んだキックを、深谷は完璧なタイミングのセーブでストップする。「谷口(哲朗)先生がこれまでのプリンスの試合とかを見て、『あの選手はあそこに蹴る』ということを伝えて下さっていたので、『こっちに飛んでくるな』というのはわかった」という深谷は続けて、「『キター!』って感じでした。止めた後にみんな寄ってきてくれて、『これがキーパーの醍醐味なのかな』と思いました」とその瞬間を振り返る。終わってみれば総体予選に続き、この選手権予選も無失点での“完全優勝”。「去年の先輩にどうやって恩を返そうかと思った時に、今年しっかりとプレーして成長した姿を見せるということが一番の恩返しだと思っていて、今日は成長した姿を少しは見せられたと思うので、本当に去年の先輩たちに感謝したいです」というキャプテンは、愛知から駆け付けた家族の前で、最高のチームメイトと共に歓喜の“ラインダンス”へ身を委ねた。
この日は同校が全国ベスト8に入った第91回大会のエースで、現在は新潟でプレーする小塚和季も応援に駆け付けた。そんな憧れの“先輩”を「カッコいいですね。オーラが違います!」と尊敬のまなざしで見つめていた深谷だが、当然目標が『小塚超え』であることは言うまでもない。「県大会を通過しただけでは自分たちの代も歴史に残らないので、小塚さんの代のベスト8という記録を塗り替えて全国優勝して、帝京長岡の歴史に自分たちの名をしっかりと刻みたいです」と言い切った深谷。明確に日本一を目指す新潟の実力派集団が、小塚も「あのGKの子は良かったですね」と認める守護神に率いられ、3年ぶりに全国の舞台へ帰ってくる。
(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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