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チップキックはGK正面、関学大MF徳永は痛恨のPK失敗も…仲間たちはかばう「蹴る勇気を持った人が蹴った」

ゲキサカ / 2016年12月13日 22時26分

関西学院大で攻守の核として奮闘したMF徳永裕大

[12.12 全日本大学選手権準々決勝 関西学院大1-1(PK3-4)日本体育大 町田]

 皆が声を揃えてかばった。誰もが背番号10の勇気を称えた。今季の関西学院大で攻守の核となっていたMF徳永裕大(4年=G大阪ユース)は、1-1で迎えたPK戦で最終キッカーを務めると痛恨の失敗。迷いあるまま蹴ったチップキックはGKに正面でキャッチされ、その瞬間に関西学院大の敗退が決まった。

 迎えたPK戦。後攻の関学大はPK3-4で5人目を迎えた。外せば敗退の最終キッカーを務めたのは、自ら立候補した徳永。ペナルティースポットへ立つ前から、どんなボールを蹴るか考えていたという。

 インカレへ向け、PK練習を数多くこなしてきたため、選択肢はいくつかあった。そんななかでも、一番に「イメージがあった」のはチップキック。今春に行われたデンソーカップチャレンジで関西選抜の一員として、1回戦の関東選抜B戦(1-1・PK9-8)のPK戦でチップキックを決めていた。ポジティブな思い出が蘇った。

 ペナルティースポットへ立ったが、どう蹴るか決められずにいた。日体大のGK福井光輝(3年=湘南工大附高)を前にして「迷ってしまった」。蹴る瞬間にGKがわずかに動いたように見え、躊躇しながらのチップキックは福井の胸元に収まった。

「迷いがあった時点でもう自分の駆け引きで負けたなと……最後に中途半端なキックになってしまって、悔しかったです」

 キャッチされた瞬間に頭は真っ白になった。涙も出ず、ただただ膝から崩れ落ちた。駆け寄ったFW出岡大輝(4年=G大阪ユース)に支えられたが、誰が近くに来たのか覚えていないほど。それでも整列し、スタンドの仲間へ挨拶。ロッカールームで皆が涙するのを見ると、堰を切ったように涙が溢れてきた。

「自分のPKの最後のキックで負けてしまって。ロッカールームで泣いている姿を見て、このチームを終わらせてしまったんだ、自分が涙を流させてしまったんだと。成山一郎監督のためにもという思いもありましたし……。ロッカールームでみんなの最後の言葉を聞いて、すごく胸が苦しくなるような言葉ばかりで、我慢できなくて泣いてしまいました」

 仲間たちは口々に「ここまで来れたのも彼がいたから」と徳永をかばった。中学時代からともにプレーしてきた出岡は言う。「PKを誰が外すとかよりも、それまでに決められなかった僕らのせい。蹴る勇気を持った人が蹴ったので、そこはみんな納得している」。誰一人として徳永を責める人はいない。

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