[女子選手権]自分たちのサッカー貫いて――十文字、初の日本一!
ゲキサカ / 2017年1月8日 19時30分
[1.8 全日本高等学校女子サッカー選手権大会決勝 十文字1-0大商学園 ノエスタ]
ともに初の選手権決勝進出となった大商学園高(関西2/大阪)と十文字高(関東3/東京)の対決は後半のゴールを守り切った十文字が初優勝を飾った。
前半から十文字が球離れを早く、ハードワークがウリの大商学園のチェックをかわし中盤を制する。「最後なので自分たちのサッカーをやろうと。攻撃の入り口を広げて1人1人ボールを持つ時間を短く。そこからサイドに展開するのがうちのサッカー」と石山隆之監督が言うように、ダブルボランチのMF鈴木紗里(3年)とMF源間葉月(3年)がサイドへボールを散らし、左サイドのMF蔵田あかり(2年)と右サイドの松本茉奈加(3年)がスピード豊かに大商学園ゴールへ詰め寄る。
中盤のコンタクトから逃れ、十文字の全体が押し上がる格好になったが、大商学園も最終ラインと守護神GK西村清花(3年)が踏ん張る。「我慢する時間が長くなると思った。両サイドと中盤の起点を抑えてサイドの裏を狙いたかったが、そこまで持ち込めなかった」と語る大商学園の岡久奨監督は、前半の選手たちの踏ん張りを讃えた。だが、反転攻勢に出られない理由があった。「ラインを上げたら裏をやられるので」。それほど十文字の両サイドを中心としたスピードは脅威だったということだろう。前半のシュート数が十文字5本、大商学園0本という記録が、勢いの差を物語っている。
「コンパクトにボールを保持できた。でも、ボールを保持していながらセットプレーを入れられて負けるのはよくあるパターン。それが一番イヤだったけれど、最後の試合なので信じるしかなかった」(石山監督)の思いが通じたのが後半16分。源間がボールを中央のMF村上真帆(3年)につなげる。「前日練習でファー側のゴールが見えたのでシュートを打ったらバーに当たったシーンがあって。同じようなケースだったので、今日は決めたいと打ったら決まった」。卒業後は早稲田大でサッカーを続けるキャプテンが、ロングレンジから利き足とは逆の左足を振り抜く。「GKが前に出ていることは、前の試合の映像を見ていてわかっていた」という予想通り、弧を描いたシュートはGKの頭上を越えゴールイン。これが決勝点になった。
「意外なところでシュートを打つし、両足で蹴れる。ヘディングも弱いけど競る。前からあんなに守備をするやつはいない。背中で見せるキャプテンが、苦しいところで決めたりしてくれるので嬉しかった」と石山監督は村上を賞賛するが、本人は「自分たちの流れができていて心にも余裕ができていた。だから周りが見えたのでシュートが打てた。これが慌てていたら前にボールを持ち込もうとしていたかもしれない。準々決勝、準決勝は負けたら終わりというところでビビリになって自分たちのサッカーができなかったけれど、決勝は最後なのでプレッシャーがあってもボールを回していこうと話していました」と、良い流れを作っていたチームを賞賛した。
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