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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:「ピッチの上で、ピッチの外で、スタンドで」(駒澤大高)

ゲキサカ / 2017年1月8日 21時45分

 連覇を義務付けられた選手権予選。5-0で快勝を収めた準々決勝には印象的なシーンが2つあった。1つは誰もがチームのエースと認めながら、ケガに苦しんできた矢崎一輝のゴールだ。シーズン当初は背番号にこだわっていた彼も、長い離脱期間を経て、その心境に変化が訪れていた。「最初の方は“10番”にこだわっていたんですけど、番号とかじゃなくて自分が結果を出し続ければ、みんながそうやって認めてくれるので、点を取ってチームが勝てればそれで良いなと思います」。後半に“11番”を背負った矢崎がチームの4点目を決めた瞬間、それまでの3点以上にスタンドが盛り上がったのは、彼の想いを応援席も共有していたからだろう。

 もう1つは試合終盤に途中出場で椿原悠人が登場したシーン。「ずっと下のチームにいて、そこから這い上がってきた選手」(大野監督)だという椿原は、ロングスローという武器を磨き上げていた。彼がタッチラインに立つだけで歓声が沸き、素晴らしい飛距離の出る放物線を見て、また大きな歓声が沸く。「本当に努力家で、自分が出るためにロングスローを磨いたんでしょうね。あのぐらい飛べばベンチに入れておく価値はありますから」と指揮官も評価する椿原へこの日一番の声援を送る応援席に、今シーズンの駒澤大高がようやく獲得しつつあった“一体感”を見た気がした。準決勝を4-0、決勝を2-0で制したチームは東京制覇を達成。東福岡へのリベンジと一番高い所を目指す舞台へと、帰還することに成功する。

 高松商高と山梨学院高を相次いで撃破し、昨年度に続いて再び辿り着いた全国の準々決勝。深いラインを取って守備を固める佐野日大高相手に、駒澤大高は苦戦を強いられる。「試合の入りから全然良くなかった」(村上哲)「前半は特に全然ダメだった」(鈴木怜)「前半から悪い流れで自分たちのサッカーができずに、うまく行かない感じがあった」(佐藤)と誰もが口を揃えた前半は、おそらく今シーズンの公式戦の中でも特に内容が伴わない出来のように見えた。

 その40分間が終わったハーフタイム。いつものように3年生マネージャーの大竹愛美と 柳場彩花はクーラーボックスを提げて、ボトル交換のために“ピッチのすぐ外”を走り続ける。後半が始まると応援団長を務める3年生の齋藤空希と安元奨を中心に、“スタンド”からいつも以上の大声援がピッチヘ降り注ぐ。『歌え駒澤愛するなら 決めろ駒澤男なら』。うまく行かない選手をフォローできるのは、何もピッチで戦っている選手だけではない。ピッチの中の選手がうまく行かないならば、ピッチの外の選手が、マネージャーがフォローすればいい。以前、高橋はこう話していた。「駒澤はどこのチームよりも部員が多いので、まだまだまとまり切れていないというか、まだまだまとまれる余地があるというのは自分たちも感じているので、人数の多い3年がリーダーシップを発揮してやることが、チームが良くなる一番の近道だと思います」。

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