[MOM2045]青森山田MF安藤駿(2年)_2冠王者の新チーム支える中盤のキーマン
ゲキサカ / 2017年2月4日 21時34分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.29 東北高校新人選手権準決勝 青森山田高 2-0 仙台育英高 相馬光陽サッカー場A]
2冠王者の準決勝は決して内容の良い試合ではなかった。前半の14分までに2点を奪った青森山田高だが、その後は流れを失い、特に後半はミスが増えて何度もクロス、シュートへ持ち込まれた。
指揮を執る正木昌宣コーチもチームの継続性について厳しく指摘していたが、その中で役割をほぼ全うし、チームを支えていたのが、アンカーの位置でプレーするMF安藤駿(2年)だった。本人もミスで決定的なピンチを招くシーンがあり、ボールに絡めない時間帯も。それでも1回戦に続いて、攻守での活躍光ったMFについて正木コーチは「安藤は攻守に渡って頑張っているんじゃないですか。黒子に徹して守備激しくやってくれているし、セカンド拾ったり、競り合い行ったり、そして攻めにも行ったり、(エースの)郷家くらい活動してくれている」と高い評価を与えていた。
特に後半、青森山田はボールの失い方が悪く、背走するような場面が増えた。だが安藤はいち早く危険を察知して味方のミスをカバー。すぐに相手との距離を詰めるなど、守備範囲広く動き回って危険の芽を潰し続けていた。攻撃時も良くボールにも絡んで攻守の柱としてプレーした70分間。だが、安藤は前任のアンカーで青森山田を2冠へ導いたMF住永翔主将であれば、ピンチを招いたシーンでももっと違う形で楽に食い止めていたことを口にする。
「後半、自分たちは全然で、結構自分の守る範囲はデカかったんですけど、(住永)翔さんだったら周りとか動かしていたと思うし、自分は自分のことに精一杯になってしまっている。もっと周りを動かして、全員で潰していけるようにしていきたい。そこが一番足りないところだと思います」。
住永であれば、声で周囲を動かして止めているようなシーンでも自分は現状、自分が動き回って止めることしかできていない。正木コーチも安藤の課題について「リーダーシップ」であることをはっきりと指摘していたが、本人もその点を自覚していた。周りを動かす力や攻撃時のサイドチェンジの部分、ボールを失わない信頼性を身につけることなど、まだまだやらなければならないことは多いと感じている。
高体連屈指のMFだった住永の後継者としてアンカーを務めることについて安藤は、「結構プレッシャーですね。(住永とは)部屋も同部屋なんですけど、私生活もしっかりしていてサッカーする時は切り替えてチームの中心としてやっているので見習いたいですね。自分が成長してもっとチームに貢献していきたい。(アンカーとして)自分がバランス取って、守備のところでチーム支えていってどんどん攻撃に参加していきたい」。
青森山田入学前から「攻撃参加もできるし、守備も重要。一番楽しいですね」という中盤中央のポジションに魅力を感じ、本職としてきた。才能あるMFは周囲からの期待値も高い。攻守の要、リーダーのひとりであるという自覚を持って成長し、前任者と同様にチームにとって欠かせない存在となる。
(取材・文 吉田太郎)
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