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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:タイガー軍団の『画竜点睛』(前橋育英高FW宮崎鴻)

ゲキサカ / 2017年2月1日 12時5分

 父が日本人、母がオーストラリア人だという宮崎はオーストラリア生まれではあるものの、「赤ちゃんの頃にこっちへ来たので日本育ち」だという。ただ、家の中では母と話すように心がけていた英語の成績も本人曰く「まあまあ良い」そうだ。「例えばワールドカップ予選で日本とオーストラリアが対戦したら、どっちを応援するの?」と難しい質問をぶつけられ、「前半は日本を応援して、後半はオーストラリアを応援して、内容の良かった方が『いいんじゃない』みたいな感じですね」と屈託なく笑う表情は普通の高校生そのもの。小学校3年生の時にスクールへ入ったことをキッカケに、中学3年生までは三菱養和でプレーしていたが、「厳しい環境で強くなりたいと思って」前橋育英の門を叩いた。養和と言えば良い意味で上下関係のないアットホームな雰囲気が特徴のチーム。「入学した最初は凄くビックリしました。先輩とか凄く怖くて」と当時を思い出しながら、「でも、ちゃんとやっていれば、先輩たちも凄く優しくしてくれました」とフォローするあたりに“日本育ち”が滲む。昨年度のチームでも「馬場拓哉さんと人見大地さんに付いて行けるように、ただ必死にプレーしていました」という宮崎へ向ける山田監督の評価は決して低くなかったが、夏過ぎからはケガに悩まされることが多く、なかなかメンバーに食い込むまでには至らなかった。

 だからこそ、最上級生となる今年に懸ける想いは強い。「彼の特徴はパワフルな所とポストプレー。『出てこい、出てこい』という形で地道に鍛えていた感じですね。ああいう子がやっぱり必要ですよね。ガチッと止めてくれれば周りが生きるから」と期待を寄せる指揮官が「もうちょっとボールコントロールがうまくなったり、動けるようになればいいのかな」と続けた部分を筆頭に、まだまだ向上すべき点が多いことは本人も良く理解しているが、「ロングボールに対しての入り方とか、まだまだ決め切れない部分とか課題は多いんですけど、もっともっと前線で体を張って、1試合に3点ぐらい取れるようにもっと力を付けたいです」と話しながら、「でも、今大会は自分の自信になった大会でした」と確かな手応えも口にする。山田監督も囲み取材の最後に「このチームのストロングというのは、今日のゲームを見たら何となくですけど『そうなんだろうな』というのが出てきましたよね。キッカーが良いのと、ターゲットマンが明確にいる所と」と明言している。「ペナルティエリアの中での競り合いは自分の持ち味なので絶対に負けられないです」と言い切った日本とオーストラリアにルーツを持つターゲットマンが、全国にその名を知られる日もそう遠くはなさそうだ。

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