[新人戦]今年も全国上位の実力、昨夏全国4強の昌平が浦和東との強豪対決制す:埼玉
ゲキサカ / 2017年2月4日 21時27分
守る時間の長かった浦和東だが、地区予選5戦4発のFW小川翼(1年)の高さやMF中野音央(1年)の正確な配球、そして左MF野口滉平(2年)の突破などで反撃。そして後半14分にこの日先発を外れていたチームの柱・CB青木兵吾(2年)を投入して市村を中盤に上げると、徐々にサイドで崩しの形ができていく。体調不良から回復してきた本来の主力選手たちをピッチへ送り出した終盤はMF小林雄太(2年)の突破などでチャンスも。そして31分には敵陣でボールを奪い返すと、左SB笹沼龍也(2年)のクロスをファーサイドの小川が頭で折り返し、MF石塚陸斗(1年)が右足を振り抜いた。だが、シュートは枠上。絶好の同点機を逃した浦和東に対し、昌平は35分に山下のスルーパスを原田が左足で決めて2-0で快勝した。
昌平はオーシャンカップ決勝で流通経済大柏高(千葉)にPK戦で敗れているものの、新チームは練習試合含めて負け無し。初出場の全国総体で4強入りし、MF針谷岳晃(現磐田)とMF松本泰志(現広島)という2人のJリーガーを輩出するなど躍進を遂げた昨年に続いて新チームも強さを示している。今や埼玉県内では技術レベル高い昌平をリスペクトし、対戦相手が守りを固めてくることがほとんど。藤島監督は「相手が戦略的にケアしてくれることはある意味ステージアップしたと思っている」と語りつつも、そこに満足するのではなく、上手さの部分に加えて、力強さの部分を高めるなど昨年とは違う選手たちで違う色のサッカーを表現し、ゴールを取り切る強さや勝ち切る強さを求めていくことを口にした。
昨年からの主軸である石井や緑川に加えて、次のブレイク候補である山下や佐相、伊藤と言ったレベル高い攻撃タレントを今年も擁していることを印象づけた。現時点では崩しの精度など昨年に劣るのは確かで、よりプレッシャーの速い相手との対戦や、天然芝でのプレーなど未知数な部分もあるが、十分に昨年以上の成績も期待できる戦力。主将の石井は「5冠全部取るような勢いで、去年の記録を越えようとみんなで言っている。そのためにはまだ弱い。個のスキルであったり、一つ一つの精度とかパスがズレていたりそういうところもある。去年に比べて突出した個はいないですけど、チーム全体でやっていきたい」。目標は県内5冠、そして日本一。新生・昌平が今年も高校サッカーシーンでインパクトを残す。
(取材・文 吉田太郎)
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