与えられた“自由”をどう活かすか、悩む全日本大学選抜…「もっとチームにならないと」
ゲキサカ / 2017年2月25日 23時22分
大学の地域選抜対抗戦である第31回デンソーカップチャレンジサッカー刈谷大会決勝で全日本大学選抜は関東選抜Aに1-2の逆転負けを喫し、準優勝で終えた。3試合を戦い、15得点4失点。攻撃ではストロングもみせたが、連携面や守備面では課題を露呈。大会後、選手たちは「もっとチームとして戦わないと」と口を揃えた。
全日本大学選抜はユニバーシアード日本代表の前身チームにあたり、現在は強化の真っ最中。今年8月に大学の国別世界一決定戦であるユニバーシアード競技大会が控えている。デンチャレで一定の成果や、チームとしての“形”を示したいところだったが、物足りなさの残る幕切れだった。
宮崎純一監督の率いる全日本大学選抜は、個の能力を最大限に引き出すことに重きを置いており、細やかな戦術やチーム内でのいわゆる“決まりごと”はない。「いる選手が好んでやるサッカーをする」と話した指揮官は「基本的に試合に勝つためにはゴールを取らなきゃいけないし、取られたらボールを奪うし、ゴール前でシュートを打たれたら防がないと勝てない。究極の部分だけをベースに置いて、それをどう遂行していくかを伝えている。それに対して相手や時間帯、場所でどういう風な対応をするかは、選手たちの判断に委ねている。基本的には彼らがクリエイトするスタイル」と説明する。
判断を任された選手たちは、各々ピッチで考えてはボールを追った。しかし、今回のデンチャレでは、それぞれが得意なプレーに終始してしまい、連動性に欠けた。『チームのために自分の武器を出そう』という姿勢は『やりたいプレーだけをする』という側面ばかりを強調させた。
キャプテンのMF重廣卓也(阪南大3年=広島皆実高)は「チームとして今はルールがあるようでないので、個性を出す、持ち味を出すというのも必要ですが、まずはチームのために自分を犠牲にしてでも、何か役立つことがもっともっとあると思う。自分を出すのは、その後でもいい。本当に勝つチームにするためには、まずチームのために守備も攻撃も、ピッチ外のところもチームのことを思って行動するのが大切だなと思います」と殊勝に語る。
これには守備陣を統率するDF鈴木準弥(早稲田大3年=清水ユース)も同調。「チームになれていないという感じが強くて。今大会を通してバラバラだったかなと感じています」と言い、「もっとチームにならないといけない。一人ひとりが個人のことしか考えていない。そのなかで、こいつに受けさせるために自分が動いて犠牲になろうとか、チームのためにどれだけ動けるかというのは、まだまだ甘い。戻るところを少しサボっている選手もいれば、ふわっとしている選手も、自分も含めてそういうシーンがあったので……」と振り返った。
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