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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:30歳が携える“ストック”(水戸・林陵平)

ゲキサカ / 2017年3月28日 21時28分

ゴールを決めた水戸ホーリーホックFW林陵平がディバラのゴールパフォーマンス

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 今年から自分にとっての“ホーム”となったケーズデンキスタジアム水戸の雰囲気が気に入っているという。「こじんまりはしているけど、サポーターも熱い人が多いですし、『あ~』みたいにため息が出るようなスタジアムの雰囲気がないんですよ。それは凄く良いです。あれってやっている選手は結構気になるんですけど、それがないからホーム感が凄く強いですね」。林陵平。30歳。かつてない覚悟を持って今シーズンに挑んでいる男が、水戸ホーリーホックを最前線で牽引し続けている。

 2連敗で迎えたJ2リーグ第5節。ホームで3試合ぶりの白星を手にしたい愛媛FC戦のスタメンには、5試合続けて林が名前を連ねる。前節の名古屋グランパス戦同様にキャプテンを務める船谷圭祐がベンチスタートとなったため、その左腕には黄色い腕章が巻かれていた。「山形の時も副キャプテンだったんですけど、プロになって最初からキャプテンマークを巻いてピッチに立つのはこの前の名古屋戦が初めてだったんです」と明かした林。その前節。忘れないようにしていたコイントスはきっちりこなしたものの、「試合が始まる前の円陣で声を出す時に『チーム一丸となっていこうぜ』と言おうとしたらメッチャ噛んで、みんなに『何しとんねん』と笑われた」そうだ。この日の円陣ではきっちり“リベンジ”。上々のメンタルでキックオフを迎えることに成功する。

 すると、その瞬間はわずか開始5分で訪れた。左サイドを湯澤洋介が抜け出し、中央へマイナスに折り返す。「『ニアに来るな』というのは感じた」という林はマーカーを振り切りながら、左足のインサイドでボールをゴールネットへ流し込む。これで早くも今シーズン3ゴール目と、ハイペースで得点を量産しているが、第2節のツエーゲン金沢戦では「中途半端にかすったくらいだったから」、前節の名古屋戦も「すぐ逆転を目指して頑張っていかないといけなかったので」、お得意のゴールパフォーマンスを繰り出すには至らなかった。

 ようやく条件が整ったと判断したストライカーが走り出す。「何個かケータイのメモリーに入っている」という“ストック”から、さらに「2つくらい競っていたヤツ」を押し退けて、今回選んだゴールパフォーマンスはユベントスのパウロ・ディバラ。「点を取って、すぐカメラを探したんですよ。そうしたらゴール裏のあたりにあったので、そっちに向かって最後にやっておきました」と悪戯っぽく笑ってみせる。以前から「自分が点を決めてパフォーマンスをやることで、周りの人に楽しんでもらえればいいと思っている」と公言しているゴールパフォーマンスを、ようやく新しい“ホーム”で披露できた林は、以降も体を張ったプレーで攻守に貢献すると、チームも後半に訪れた苦しい時間帯を凌いで、見事に完封で勝ち点3を獲得。サポーターと選手たちは共にラインダンスで勝利の味を分かち合った。

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