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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:また逢う日まで(琉球・富樫佑太)

ゲキサカ / 2017年5月12日 7時37分

 慣れない異国の地で得たものとして、富樫は印象的な2つを挙げる。1つはコミュニケーションの重要性。「本当にうるさいヤツばっかりでした」と苦笑するチームメイトとの関係性を構築するため、日本にいた時は「あまり自分から話しかけるタイプではなかった」が、自ら会話へ参加するように心掛けたことで、集団に溶け込む能力が付いたという。もう1つは守備に対する考え方。「取られた瞬間に切り替えて、とりあえず走り回っていればOKみたいな感じ(笑)」だった守備への意識が、「『どこに立つのか』というのがある程度わかるようになった」ために、試合中の攻守におけるペース配分にも明らかな好影響がもたらされてきたそうだ。とかく攻撃面がクローズアップされがちなスペインで、守備の考え方が整理されたことは興味深い。

 ただ、ビザの都合もあって、なかなかトップチームの公式戦出場は叶わない。国内3部相当のリーグを戦うトップチームの練習に参加しながら、カテゴリーの落ちるBチームでしか実戦経験を積めない日々が続く。渡西して約1年が経とうとしていた2015年1月。そのタイミングでも必要な労働ビザの申請が通らず、また夏までプロ契約が持ち越されることになった状況を受け、「試合にも出たいし、このまま練習ばかりしていても…」と感じていた時に、國學院久我山時代の恩師でもあり、当時はアカデミーダイレクターを務めていた李済華・現GMからの誘いを受ける形で、練習参加した琉球への加入が決定した。

 1年目は出場機会が限られ、2年目となった昨シーズンは18試合で4ゴールを記録。前述したように、ストライカーナンバーの9番が与えられた今シーズンは、ここまで7試合で2ゴールをマークしているが、本人はまったく納得が行っていない。「チームを助ける仕事はできていないと思います。去年の7番の田中恵太(水戸)くんはチームが劣勢の時に点を取っていたので、今は自分がエースストライカーというポジションなんですけど、結果は出せていないです。まだまだ全然ですね」。求められる役割も以前と異なる部分が多い。「今までは“人に使われる”という経験をあまりしてこなかったんですよね。自分が誰かを使ったり、自分が何かをしたりというのが多かったので、今は味方のプレースタイルや、味方が『どうしたいのか』ということを汲みながらプレーを考えている途中で、自分の出したいプレーは出し切れていないかなと思います」。それでも自らの向かうべき方向は明確だ。「やりたいこととやらなきゃいけないことのバランスを取りながら、しっかり結果を出していくのが僕の仕事だと思いますし、結果が付いてくるようになれば周りもパスを出してくれるようになると思うので、そこは自分から改善していければなと思います」。

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