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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:また逢う日まで(琉球・富樫佑太)

ゲキサカ / 2017年5月12日 7時37分

 沖縄での生活も3年目を迎える。「夏はとにかく暑いです。日中は練習もしたくないぐらい陽射しが強いですし、そういう所は厳しいですけど、楽しくやっています」という彼に、「どういう所が楽しい?」と尋ねると、「もう人間も時間も“フリー”なのでのんびりしていて、ストレスがまったく溜まらない生活を送っています」という答えが返ってきた。自身の性格にも変化を感じているようだ。「自分でもちょっと穏やかになったかなと思います。昔はもっとツンツンしていて、先輩が苦手だったんですけど、そんなこともなくなってきたかなと(笑) 周囲が良い人たちばかりなので」。以前はもっと早口な印象があった話し方も、心なしか少しゆったりしていたように感じた。

 さらに、今シーズンは高校の後輩に当たる名倉巧もチームに加わった。「自分はナツくんや富樫くんたちのサッカーを見て『久我山に入りたい』と思いましたし、琉球に入る時も富樫くんがニューイヤーカップで凄く活躍しているのを見て、『自分も一緒にやりたいな』と思ったので凄く心強いです」と語る“後輩”に、「普通にタメ語で話しかけてくるので、先輩後輩という意識はないですね(笑) でも、全然僕も気にしていないですし、そういう部分は『久我山らしいな』と思います」と“先輩”は苦笑したが、既にここまで3ゴールを挙げている後輩への優しい視線は、間違いなく先輩のそれだった。変わったのは高校時代より長く伸びた髪型ばかりではない。東京で生まれ、東京で育った青年は、スペインと沖縄という『太陽の恵み』を受ける土地での経験を得て、人間としての幅も着実に広げつつある。

 高校時代の同級生は今年で大学4年生になった。そのことについて、「そんなに意識はしていないですね。自分らしくやっていければいいなと思います」と話したものの、富樫にとっては高校を卒業して4年目となる今シーズンが、自らで決断し、歩んできた道の正しさを証明すべき1年になることは間違いないだろう。「ナツとはまだ話していないですけど、佑一はプロになるって決めているみたいなので、『琉球に来いよ』というのはずっと話しているんですけどね。できれば一緒のチームでやりたいですし、楽しみではあります」。再会するのは沖縄の地か、あるいはどこかのスタジアムのピッチ上か。迫りつつある未来のことは定かではないが、そのタイミングが訪れた時、ただひたすらに前だけを見据えてきた自らの4年間に胸を張って彼らと逢うため、富樫は今日もきっと灼熱の色を帯び始めている太陽の下でボールを追い掛けている。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」

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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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