1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

アメリカ・サッカー留学の可能性 IMGアカデミーの最先端トレーニングに迫る Vol.2

ゲキサカ / 2017年7月28日 1時29分

APDプログラムのほとんどは2016年に完成したばかりのパフォーマンス&スポーツ科学センターで行われる
ビジョン・トレーニング

 “ビジョン”と聞くと、動体視力を上げると理解されるケースが多くある。しかし、実際のスポーツのパフォーマンスを向上させるには見るだけでは不十分で、“See(見る)”“Think(考える)”“Do(行動する)”、この3つがつながって初めて意味が出てくる。目で捉えて、脳で状況を認識し、身体を正しく動かす指令を素早く出す。これをどれだけ素早く行えるかが鍵で、正しくはビジョン&ブレイン・トレーニングと呼んでいる。3Dを利用したソフトや最新の機器を駆使して、10種程度のトレーニングを受けることになる。

フィット・ライトと呼ばれる機器を使い、足を中心にした反応速度を上げるトレーニング。オフェンス、ディフェンスなど具体的な状況を想定して配置し、赤、青、緑など光った色に合わせて正しい動きを行う
ダイナボードを使って周辺視と反応速度を上げるトレーニング
「これは非常に面白かったです。特に小・中学生でトレーニングができると有効だと感じました。自分のチームのトップ選手にもよく“周りの状況を見ろ”と指示するんですね。でも、なかなかできない。サッカーはボールを回すときのポゼッションがとても大事です。相手や味方のポジションやボールの位置など、状況を把握して動く。それをどれだけ瞬時にできるかが大切なので、小さい頃からそのベースを身につけておくのとそうでないのとでは将来が変わってくるでしょうね。自分が中学生だったとき、学校のサッカーチームのスローガンが“見よ、読め、動け”だったので、慣れていました。ここではビジョンに特化したトレーニングがあるのはとてもいいですね」

スピード/ムーブメント・トレーニング

 いわゆる筋トレに加えて、作った身体をいかに使えるようにするか、そのスピードやアジリティーを鍛えるトレーニング。芝のフィールドや天井のついたターフと呼ばれるエリアで基礎的な動きを学んだり、ハードルやラダーを使ったトレーニングもある。サッカーならサッカーに特化した内容を専門のストレングスコーチが考えるため、競技のプレーでも使える身体づくりを効率的に学べるようになっている。

1回のセッションでは天然芝のフィールドでストレッチやダッシュなどを組み合わせたトレーニングを1時間ほど行う
「IMGアカデミーのコーチの評価も同じでしたけど、日本人はテクニックやボールの扱いはうまいけど、身体の使い方や力の伝え方がうまくないという場合が多い。実際に接触しながらテクニックを使えるのか。相手に当たられたときに、身体のバランスをキープできるか。それを鍛えるためにはスピード系、ムーブメント系のトレーニングはとても役に立ちますよね。日本でもダイナミックストレッチと呼ばれるもので、ストレッチと合わせて動的なものを取り入れていますが、発展途上だと思います。アメリカ代表監督も務めた(ユルゲン・)クリンスマンが積極的にこのようなトレーニングを取り入れていて、ドイツのA代表でも行うようになったり、世界ではスタンダードになっています。IMGアカデミーの良さは、何といってもその分野の専門家がいることです。日本の現場ではサッカーコーチなどがやることもありますが、専門性は薄かったりしますから」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください