アメリカ・サッカー留学の可能性 IMGアカデミーの最先端トレーニングに迫る Vol.3
ゲキサカ / 2017年7月28日 7時15分
―ジュニア時代に高原さんが残した大きなインパクトはやはり1999年のFIFAワールドユース選手権です。トータルで3得点を挙げました。日本人は積極性がなく得点力も低いと言われがちですが、チームとしても決勝まで進みました。
「チームのメンバーはU-17から一緒にやってきた選手がほとんどで、あの大会は自分たちがどれだけ成長したのかを知る物差しになりました。ただ、“どれだけやれるか”ではなく、世界のトップレベルの中で“勝ち”に行っていた。グループリーグ初戦のカメルーンには出鼻をくじかれましたけどね(笑)。ただ、同時に“戦える”ことも分かった。ロングボールを入れられてパワープレーで点を取られたという、いわゆる典型的なやられ方だったのと、自分たちでゲームを組み立てられたので自信にもなりました。やっぱり若い年代から海外に出て、経験を重ねて、だからこそ自分たちの状況を自覚して判断することができたと思います」
―仮に、そのときのサッカーのスキルがまったく同じだとして、それまで海外経験がなかったら違ったと思いますか?
「まったく違ったでしょうね。海外に出るというのは、ただプレーすればいいというわけではないので。気候や環境に慣れないといけないし、そこで出される食事を取らないといけない。時にはおいしくないご飯が出るでしょうし、自分たちで味付けを変えて工夫したり。小さいことかもしれませんけど、一つひとつがメンタルもタフにしてくれます。日本はとても恵まれています。海外に出ればすべてが整っている環境は与えられないのが当然で、それを苦にしていたら勝てない。技術があれば戦える、うまい選手が集まれば勝てる、というわけじゃないですからね。とはいえ、一概にすべての選手が海外に出るべき、とは言わないですけどね。出たいと思う人は出ればいいし、出る気持ちがない人はそれでもいい。たとえば遠藤(保仁)なんかは純国産と言っていいほど主戦場は国内で、それでも世界でやれました。個人の気質も大きいと思います。自分が世界に出たいと思っても、チャンスがある人は限られるでしょうから。でも、もしやれる状況があって、出たいという気持ちがあれば、間違いなくやるべきです」
―海外に出たからといって思ったように成長できない選手もいますしね。
「そうです。ただ、長い期間ではなかったとしても、少しでも海外に出たことによって“違い”を認識するだけでも大きいです。自分の海外経験を思い返すと、アルゼンチンに行ったけれど、経済的な打撃とかいろいろな要素が絡み合って満足いくまで現地にいられなかった。でも“お客様”としてではなく、チームに入ってポジション争いをして過ごした半年間は大きかった。そこから日本に戻って、得点王になったんですけど、何かしらつながるものがあったと思います」
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