上手くて、戦う選手へ変わった「今年の品田」が先制FK。FC東京U-18がビッグカード制して8強入り
ゲキサカ / 2017年7月27日 19時7分
[7.27 日本クラブユース選手権(U-18)ラウンド16 FC東京U-18 2-1 C大阪U-18 富士見総合グラウンド]
第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会は27日、決勝トーナメントの初戦に当たるラウンド16の対戦を迎えた。富士見総合グラウンドでは前回王者のFC東京U-18(関東1)と過去2度優勝のセレッソ大阪U-18(関西4)が対戦するビッグカードが実現。U-17W杯を目指す選手も多数出場した熱戦は前半にFC東京が2点を先行する流れから後半にC大阪が猛追するというデッドヒートの末、FC東京に軍配が上がることとなった。
フットボールの原初的な魅力が詰まった情熱的な試合だった。ピッチ状態は大雨と連戦の影響で公式戦が行われるとは思えないほどの劣悪なコンディション。あちこちに水たまりができている上に起伏も生まれている。U-17日本代表MF平川怜が「インドでもここまでじゃなかった」と苦笑いを浮かべるほどの環境が試合内容を下げるのではないか。そんな懸念の中でのキックオフとなった。
予想どおり、双方がいつも以上に「蹴る」判断を下す回数が増える流れにはなった。ただ、前半はFC東京がそんな中でもDFが少しボールを持ち出す、ボランチが意図のあるパスを散らすといったディテールの部分で違いを出し、並のチームならば「蹴る」以外の選択肢がなさそうな環境下で、ボールを動かす時間帯をわずかでも作っていくことで試合の流れを引き寄せる。そして、前半21分にゴール正面で得たFKがそんな試合の流れを強く加速させることとなった。
ボール脇に立った品田愛斗が狙ったのは壁の横。「いい状況でのFKだったので、あらかじめ蹴るコースは決めて蹴った」と、針の穴を通すようなコントロールから、壁に当たらず、GKの手も届かないコースへと蹴り込んで、ゴールネットを揺らしてみせた。元よりキックの精度には定評のある選手だが、最初のビッグチャンスを見事に沈める勝負強さを見せ付けてゴールネットを揺らした。
ただ、この日の品田が際立ったのはこうした「元々得意なプレー」だけではない。“上手いだけ”の選手ならば絶対に通用しないピッチ状態の中で体を張って戦い、無理に技術を発揮してつなごうとはせず、時には割り切ってボールを捨てるようなプレーも選んだ。フォア・ザ・チームのスピリットはFC東京にとって欠かせないモノだが、まさにその点を疑問視されて1、2年生の間はなかなか起用されなかった選手とは思えぬパフォーマンスである。「そこがずっと課題だった」と本人が過去形で語ったとおり、もう彼を戦えない選手とは言わないだろう。
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