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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:“15番”のチャレンジャー(関東一高・重田快)

ゲキサカ / 2017年7月30日 7時56分

関東一高FW重田快。(写真協力=高校サッカー年鑑)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 まだ得点ボードを見る余裕はあった。スコアは0-0。時計の針は後半30分を過ぎている。「みんなの動きからしてPK戦になったら厳しいかなと思っていたので、ここで取るしかないなと思っていた」重田快に決定的なチャンスが訪れる。「何か落ち着いてましたね」と振り返ったシュートがゴールネットを揺らすと、気付けば“15番”は降りしきる雨の中で声援を送り続けていた応援団の元へ駆け出していた。

 昨シーズンから関東一高のトップチームでプレーしていた重田は、同校にとって全国初出場となった昨年末の高校選手権でも、途中から出場した開幕戦の野洲戦で、唯一のゴールとなったPKを獲得して勝利に貢献。今年2月のT1リーグ開幕戦でも“11番”を付けて2ゴール1アシストを記録するなど、新チームの主軸として活躍が期待されてきたが、ケガもあって3連覇の懸かった総体予選の準々決勝を欠場することになる。

 すると、その試合でトップチーム初ゴールを決めた2年生の池田健太が、準決勝、決勝と3試合連続ゴールを叩き出して、一気に定位置を確保。“18番”のユニフォームを渡され、ベンチから新“11番”の躍動する姿を見守るしかなかった重田は、「『自分がいなくても勝てるんじゃないかな』とか、そういう悔しい気持ちとかいろいろあった」という。

 全国総体を控えた7月10日のT1リーグ・帝京高戦。「結構感覚が戻ってきた感じで、練習でも自分の間合いがわかってきた感じだった」という重田は1ゴール1アシストをマークしたものの、背中に記されていたのは“18番”。本人に番号へのこだわりを聞くと、「“11番”は着けたいですけど、結果を出せば監督が付けさせてくれるかなという気持ちもあるので、本戦までにはという感じです。そこで“11番”を付けるには今日は点が欲しかったので」とのこと。7月20日のT1リーグ・実践学園高戦でも素晴らしいドリブルシュートを決めたが、その日は“15番”のユニフォームを纏っていた。

 自身の望む番号こそ取り戻せていない中でも、トップフォームがよみがえりつつあった重田は、全国総体に挑む17人のメンバー入りを果たす。以前、彼はこう話していた。「去年は3年生に引っ張ってもらって自分たちが気持ち良くできるみたいな感じだったんですけど、まだ自分はキャプテンの(小野)凌弥とかシノ(篠原友哉)に比べたら、去年から出させてもらっているのに中心になれていないと思っているので、もっともっとチームに必要とされる選手になっていかないとという気持ちですね」。もっともっとチームに必要とされる選手になるために。重田にとって勝負の大会が幕を開ける。

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