[MOM2172]日大藤沢MF梶山かえで(2年)_「日藤の流川楓」が味わった二つの真っ白。ミスは自分で取り返す
ゲキサカ / 2017年8月2日 17時53分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 総体準々決勝 日大藤沢高 2-1 旭川実高 みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンド]
夏のタイトルを目指して戦う中で迎えた準々決勝において、日大藤沢高のMF梶山かえで(2年)の頭は2度真っ白になった。ただし、異なる意味で。
1度目は最悪だった。どっち付かずだった立ち上がりの流れの中で迎えた11分、自身が低い位置でボールを失い、これが失点に繋がってしまったのだ。大事な試合の先制点がいかに大切かはよく分かっていただけに、そのショックは小さいものではない。「自分は2年生で出ているので3年生に対して申し訳ないという気持ちが湧いてきて、『どうしよう』という焦りが出た」(梶山)のも無理はなかった。
すぐに3年生たちが励ます声を掛けてくれ、ベンチからも背中を押すような声が耳に届いた。だが、簡単に切り替えられるものでもない。徐々に試合の中で自分のペースを取り戻し、1-1の同点に追い付いて迎えたハーフタイムに指揮官からあらためて叱咤激励の言葉も受けた後半、今度は普段以上のアグレッシブさを見せていくことになる。
「取り返すしかないと思っていた」(梶山)
メラメラと燃える気持ちのままに前へ出る。「普段はそんなでもないんですが、今日は後ろにいてもミスばかりなので、じゃあ前に出てやろうと思って」と笑って言うように、いつもの梶山は後方でパスをさばいて舵取り役となるタイプ。今季から前に出るプレーも磨いてきたが、横浜FMジュニアユース時代は主にCBとしてプレーしていた選手でもあり、必ずしも攻撃的なタイプではない。だが、この日はゴール前にまで顔を出し続ける。「FWへのマークが少しでも薄くなればと思っていた」とPA内への侵入も試みた。
自身の名前の由来となった人気漫画『SLAM DUNK』(スラムダンク)のキャラクター・流川楓(るかわ・かえで)も、負けず嫌いで失敗を攻撃から取り返そうとするタイプだが、この日の梶山は確かに両親が「スポーツで目立つ子になるように」と願ってつけた名前のとおり、徐々に存在感を増していくこととなる(ちなみに、名前が「かえで」と、ひらがなであるのも「目立つから」)。そして迎えた後半35分だった。
右サイドからのCK。ファーの自分に来いと思って待っていたが、弾道が低くて届きそうにない。ただ、ニアに飛び込んでいく選手は見えた。「もしかしたら来るんじゃないかと思った」という備えが功を奏す。ニアの競り合いからフワッとこぼれてきたボールに対して、ヘディングで合わせる。直後、ゴールネットが揺れて梶山は再び「真っ白になった」。結局、後半終了間際に決まったこのゴールが決勝点となった。自分のミスから動き出した試合を、自分の得点で逆転勝利に導くこととなった。
(取材・文 川端暁彦)●【特設】高校総体2017
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