[MOM2193]明秀日立FW市江祥也(3年)_「2点取れば“チャラ”」と送り出されて即得点も…
ゲキサカ / 2017年8月18日 20時16分
[8.18 アンダーアーマーチャレンジカップ 徳島商0-4明秀日立]
「ここで2点取らないと、昨日のはチャラになんねえからな!」。
明秀日立高(茨城)が徳島商高(徳島)を1点リードして迎えた後半5分、ベンチで激しく指示を出す小野宗周コーチから、そんな言葉で送り出されたFW市江祥也(3年)が、ピッチに入って間もないファーストプレーで期待に応えた。ゴール左斜め前約40メートルのFKをDF小野優太(3年)が蹴り込むと、戻りながらの姿勢で気迫のこもったヘディングシュート。たったワンタッチで、停滞していたチームにとって貴重な追加点をたたき出した。
最終節を前にグループリーグ1位通過を決めていた明秀日立は、この試合にサブメンバーだけで臨んでおり、背番号105番の市江もそんな選手の一人。前日に行われた試合では途中出場を果たしたものの、「テンパって何もできなくて、試合が終わってからは、半泣きになりながら筋トレしていた」(小野コーチ)という。だからこそ名誉挽回にかける思いは人一倍で、「最後のチャンスだと思って、とにかく必死にやろう」(市江)という気持ちでピッチに立った。
そんな市江に後半9分、さらなるチャンスが訪れる。今度はゴールまで角度がない敵陣左サイドでFKを獲得すると、小野の鋭く低いキックに向かってニアサイドに突進。混戦の中でこぼれたボールはゴールマウスへ転がり、これで“チャラ”かと思われた。ところが、先に相手選手が触っていたため記録はオウンゴールに。監督不在の中、指揮官役を担っていた小野コーチからは「これじゃあダメだ!」という厳しい声が飛んだ。
後半19分には、別のFWが投入されたことで、右サイドバックにポジションを変更。2点目から遠ざかるように思われる指示となったが、「CKからでも点を取れるので準備をしようと思った」とあくまで自然体を貫いた。同23分には味方がPKを獲得したが、「PKをもらった選手も同じような立場なので」(市江)と、FW荒井慧伊大(3年)からボールをもらおうとはしなかった。
そんな市江の姿を見ていた小野コーチは、直後のキックオフから再びFWにポジションチェンジ。ここからは「ここで走らないと決めれんぞ!」「あと5分だぞ!」と、大半の指示が市江に向けられたものとなった。しかし、最終盤のセットプレー攻勢でも相手守備陣に阻まれ、ゴールを挙げることはできず。“昨日の悔い”を持ち越す形となってしまった。
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