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「東京五輪への推薦状」第47回:名門街クラブで殻破りつつある「世界規格」の超大型SB、加藤慎太郎

ゲキサカ / 2017年9月30日 22時7分

三菱養和SCユースの超大型SB加藤慎太郎

 2020年東京五輪まであと3年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ

 武器のない選手は世界で戦えない――。タイプ的には少々異なる部分もあるU-20日本代表の内山篤監督とU-17日本代表の森山佳郎監督、そしてU-18日本代表コーチにして、リオ五輪代表のコーチでもあった秋葉忠宏氏が3人そろって、口にした言葉だ。図抜けた何かを持っている選手が欲しい。代表チームの指導者は、いずれも同じ結論にたどり着くのだ。

 同時にA代表のハリルホジッチ監督からも言われていて、かつてオシム氏からも同様の指摘をされたというのが、世界的な傾向でもあるサイドバック(SB)の大型化だ。もちろん、長友佑都(インテル)が欧州のトップリーグで長く戦えていることが象徴するように、小柄な選手がダメだと単純化して言うべきではない。ただ、相手チームとの駆け引きもある中で、大型SBがA代表監督の選択肢にあることは重要だろう。内山監督は「東京五輪に向けてもそこは重要になってくると思っていた」と積極的に大型SBの発掘を行っていたが、その下の世代でも探していく必要があるだろう。

 その意味で「面白い」選手が東京都の名門街クラブ、三菱養和SCユースにいる。

 存在を強く意識させられたのは今年の春休みに行われたフェスティバル、イギョラ杯だった。西が丘サッカー場で行われた試合で、190cmの偉容を誇る選手が右サイドを疾駆している。ファーストインプレッションは「あれ? こんなに速いんだ」。大きなストライドからグイグイと加速してサイドを駆け抜けていく。それほど器用な印象はないが、目を惹くのは間違いない。ハーフタイムに秋葉コーチが「あれは何者ですか? 面白くないですか?」と聞いてきたのだけれど、その感覚はすごくよく分かった。確かに、面白い。

 秋葉コーチが存在を認識していなかったのも無理はない。加藤慎太郎は昨季までは主軸と言える選手ではなかったからだ。

「1、2年生のときは全然Aチームに絡めてなくて、つらい2年間でした。でも『今年やれなきゃ、本当にダメだ』とも思っていて、(イギョラ杯のころは)レギュラーを奪ってやろうと本当に気持ちが入っていた」(加藤)

 使われなかった理由について、加藤本人は「メンタル的に弱いところがあったと思う」と分析する。その上で新チームに切り替わるタイミングでコーチ陣に「自分の何が弱点なのかを直接言ってもらった」と、自分の弱みをハッキリさせることをスタートラインにした。指摘はいろいろあったと言うが、その一つがヘディングである。190cmの長身を持ちながら、うまくボールに当てることができず、武器になっていなかった。基礎的なヘディング練習にあらためて継続して取り組みつつ、競り合いに対する自分の意識も変えていった。

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