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「つなげなかった」久御山、松本監督が定年迎える来季はより“久御山らしく”:京都

ゲキサカ / 2017年12月1日 21時51分

久御山高の松本悟監督は「もっともっと久御山らしさを出して、来年ここに戻ってきます」

[11.18 選手権京都府予選決勝 京都橘高 1-0 久御山高 西京極陸上]

「今年の久御山はちょっと違う」。それに気が付いたとき、脳裏にはOBであるFW山﨑雅人(現金沢)の言葉が浮かんできた。「俺らの時代にはサイドチェンジなんて考え自体がなかった。ショートパスとドリブル、それが久御山のスタイルやから」。

 2010年度の全国高校選手権で準優勝、もしくは2015年の全国高校総体でベスト16という成績を残した際、久御山高はその独特かつ魅力的なスタイルも含めて注目を集める存在だった。土のグラウンドで徹底して技術と駆け引きを磨き上げるチームは、全国の強豪を前にしても個人技とコンビネーションを融合させてジャイアントキリングを何度も実現させていった。

 そんなチームが、今年はロングパスを取り入れた。「準優勝で立ち止まってたらあかん。俺も成長していかんとな」と話す松本悟監督は、選手たちの特徴を考えた末にサイドチェンジや前線への大きな展開を容認した。

 今年の3年生たちは中学時代につなぐサッカーをしていない選手が多い。主将の中村禄郎(3年)も「前線に能力の高い選手がいたので、ロングフィードを蹴りこむ攻撃が多かった」と振り返っている。もちろん久御山に来たからには伝統のスタイルを継承すべく、日々のトレーニングに励んできた。

 だが、過去のチームと比べて、どこか物足りなさも感じていたのかもしれない。スペースを突く速さを持つFW明神大志(3年)や競り合いに強い大型FW木村開成(3年)らへロングボールを送り込んで相手のラインを押し下げることで、目指すべきスタイルを発揮しやすくするという試合もあった。いい意味で「今年の久御山はちょっと違う」という戦いを演じてきた2017年だった。

 高校総体予選では京都橘に1-2の僅差で敗れたが、その大会で優勝チームをもっとも苦しめたのは彼らだった。京都橘の選手も「久御山ペースだった序盤に失点していたら、わからなかった」と認めている。そして今大会、決勝という大舞台で再び対戦したが、結果は0-1。リベンジは果たせなかった。

 試合後、松本監督は前半の戦い方を敗因にあげた。「相手を怖がって長いボールを蹴ってしまった。もう少しパスをつなげれば攻める場面が作れて、ギャンブルのような形ではなく久御山らしく得点を奪えたんじゃないか」。後半に先制点を奪われてからは準決勝の京都学園戦で逆転ゴールにつながった4トップ気味の攻撃的布陣に切り替えたが、それも「今更つなぐのは難しいので、ドリブルで運べる選手を入れた」(松本監督)という狙いで、最後まで相手を切り崩す連動性を発揮できずに試合終了を迎えている。今年のチームの特徴が、決勝という大舞台で悪い方向に出てしまったのだ。

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