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「東京五輪への推薦状」第52回:ドリブル小僧からサッカー小僧へ。関東一MF小関陽星が敗勢の中で見せた成長への期待感

ゲキサカ / 2017年12月31日 10時59分

関東一高MF小関陽星(写真協力=高校サッカー年鑑)

 2020年東京五輪まであと3年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ

 技巧自慢のドリブル小僧。それが関東一高のMF小関陽星(2年)に対する第一印象だった。シャープな身のこなしと遊び心に富んだプレー選択から相手の逆をつく。最初の印象は「左利きのロナウジーニョ」だったのだが、彼のあこがれの選手はネイマールだそうで、おじさん記者の感覚はちょっと古かった。

 ただ、悪い意味でも遊び心が暴走している感はあった。「去年は正直、特に何も考えてなくて、持ったらドリブルだけしとけばいいという感じだった」と本人が率直に振り返るように、自分勝手にも思えるプレーも多かった。それがアクセントになっている試合も多くあったので、小野貴裕監督や当時の3年生たちはあえて“放し飼い”にしていた部分もあるのだと思うのだが、2年生になって主軸としての責任を負うようになった今季はそうもいかない。

「(小野監督は)自分のサッカー観を変えさせるために頭の中に対する指示をずっと送ってくれました。成長できているのか分からないですけれど、サッカーに対する考え方は結構変わったのかなと思います」(小関)

 ポジションもサイドの仕掛け役からボランチとして攻守の舵取り役を任せるようになった。「ボールに触るのが大好き」という本人の個性どおり、率先してボールを受けに行く部分は認めつつ、ボールを“離す”プレーを要求。サイドと違って全方位から敵が来るだけに、闇雲に仕掛けてうまくいく可能性は低い。自然とプレースタイルにも変化が生まれた。

「相手の視野を自分に寄せておいて、裏だったりを狙ってもいい。立場が変わって、チームのためにだったり、守備のことも考えるようになった。ドリブルだけじゃなくて、チームのテンポとかも考えるようになった」(小関)

 第96回高校サッカー選手権大会の開幕戦、佐賀東高との試合の前半で見せたプレーはまさにそういう味があった。攻守の切り替え直後など、密集が自然と生じる局面ではボールスキルの高さを発揮しつつ、シンプルにプレーすべきところではシンプルに離す。去年の「特に何も考えていない」プレーからの変化は明らかだった。

 最近、よくプレーを観る選手はレアル・マドリードのMFイスコだと言うから、この辺りからもネイマールの局地的な技術をマネしていただけの時期から考え方、サッカー観が変わってきたことが分かる。もっとも、ビハインドを背負ってからは「いま振り返ると、もうちょっと落ち着いて周りを使えれば良かった。『自分が』『自分が』という後半になってしまった」と反省したとおり、良くも悪くもドリブルという選択が増えすぎてしまった感はあった。

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