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「【先読み】は外れてからが勝負」遠藤保仁最新刊から一部紹介!

ゲキサカ / 2018年1月12日 17時0分

今月28日に38歳の誕生日を迎える遠藤保仁

 MF遠藤保仁(G大阪)の最新刊『「一瞬で決断できる」シンプル思考』(本日発売)の中から一部を抜粋してお届けします。

 先を読む力に長けている評される遠藤が、ピッチで混乱しないために心がけていることとはーー?

 当然、先読みが外れることもある。むしろ当たることのほうが珍しいくらいだ。敵味方合わせて22人の選手がたえず動き、それぞれが先読みをしながらプレーしているわけだから、自分の思い通りになるほうが確率的にはずっと低い。

 たとえば、パスを出そうとしていたスペースに敵の選手が入ってくることもあるし、僕が出したいパスに味方の選手が反応してくれないときもある。しかし、先読みが外れても、ゼロに戻るだけである。先読みが外れたからといって、相手に負けたことにはならない。先読みが外れたなら外れたで、すぐさま別の選択肢を模索し、状況に応じた最善のプレーをするだけである。

 先読みが外れると、途端に混乱し、自ら不利な状況に追い込まれてしまう選手もいる。サッカーはプラン通りに進むことはまれなのだから、いちいちパニックに陥っていたらまともに戦うことはできない。

 追い込まれてしまうのは、先読みの選択肢をひとつしかもっていないからだ。だから、先読みが外れても動揺しない秘訣は、選択肢をたくさんもつことに尽きる。ひとつでも選択肢が残れば、自信をもってプレーをすることができるはずだ。

 先読みによる予測は外れて当たり前であると同時に、絶対的な正解は存在しない。たとえば、僕がパスを受ける前に「味方のあの選手が右前のスペースに走り込んだところにパスを出せば、フリーになって得点のチャンスにつながる」と考えたとする。しかし、いざパスを出そうと思ったとき、その味方の選手は前のスペースに走る気配を見せなかった。そのままパスを出しても通らないと判断した僕は、別の選択肢を選ぶことになった……。

 このような場合、僕は「なんで右前のスペースに走り込まないんだ! チャンスを棒に振ったじゃないか」と相手を責めることはない。同じピッチに立っていても、自分が思い描く絵と他の選手が思い描く絵が一致するとはかぎらないのだ。もしかしたら、先の味方の選手は、自分がそのスペースに走ることで、自分の後ろのスペースが空いてゴールに直結するようなピンチを招きかねない、と判断したのかもしれない。その選手がそう判断したのなら、それが正解なのである。

 つまらない凡ミス以外、基本的に、選手が選択したプレーはすべてが正解だと思っている。自分の予測が正解で、他の選手の予測が不正解である、ということは絶対にない。自分の予測が不正解であることも十分にありえる。だから、試合中であっても試合後でも、「なんでそんな動きをしたんだ! おまえが俺の言う通り動いていたらゴールできたのに」などと責めることは絶対にない。

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