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体験者が明かす…W杯メンバー選考とその苦悩

ゲキサカ / 2018年5月18日 7時0分

 ノルウェーで23人の登録メンバーを決めた後、トルシエ監督が日本に戻るとメディアに追いかけまわされてストレスになるので、日本には帰らず、フランスで休養することを勧めました。自国開催を前にした異常な熱狂により、すでに彼のストレスはピークに達しようとしていたからです。こうして、故・木之本興三強化推進本部副本部長がメンバーリストを読み上げることになり、その後にトルシエ監督が帰国するという段取りに決まりました。

 一方、私は23人のメンバーリストを胸に秘めたまま26人の選手と同じ飛行機で帰国。W杯のメンバー入ることに人生を懸けている人ばかりですから、正直かなりつらかったです(苦笑)。「ここにいる全員が候補になっているけど、発表は当日の生放送のテレビを見てくれ。それがすべてだ」と選手に伝えて解散しました。

 じつを言うと、ほかにも懸念材料はありました。トルシエ監督の性格を考えると、何日か経ったら考えを改めて違う選手を選んでくるんじゃないか……。5人で徹夜でミーティングをして決めても、最終的な判断をするのは監督ですから。バランスを考え抜いた上で決めた23人だったので、代わっていたらどうしよう……と不安もあったんですけど、トルシエ監督が最終決定した23人はミーティングで選んだ23人と一緒だったので胸をなでおろしました(笑)。

1998年フランス大会にはじまった日本のW杯の歴史は、2018年ロシア大会で6回目を数える。西野朗監督のもと、日本代表はどのような23人で決戦に挑むのだろうか――。

 これまでW杯のメンバー入りをはたした日本人は78選手います。4大会でメンバー入りしているのは川口能活(相模原)と楢崎正剛(名古屋)で、3大会は中田英寿、小野伸二(札幌)、稲本潤一(札幌)、遠藤保仁(G大阪)。フィールドプレイヤーとして3大会でメンバー入りしている4人は偉大ですよ。

 GKの2人は長きにわたって日本代表を支えた存在ですが、川口がフランス大会(1998年)とドイツ大会(2006年)、楢崎が日韓大会(2002年)と、レギュラーは交互に務めたので、川口が6試合、楢崎は4試合の出場にとどまっています。では、W杯に最も出場した日本人は誰かという話になると、やっぱり中田がすごい。日本人最多となる10試合に出場していて、そのすべてでスタメンを飾っています。

 中田の牙城に迫っていて(バヒド・)ハリルホジッチ前監督にも選出されていたのが、長谷部誠(フランクフルト)、本田圭佑(パチューカ)、岡崎慎司(レスター)、長友佑都(ガラタサライ)、川島永嗣(メス)の5人。南アフリカ大会(2010年)とブラジル大会(2014年)で選出されている彼らは、現在7試合に出場しています。仮の話をしますが、ロシア大会のメンバーに選出されてグループリーグ3試合に出場したら出場試合は「10」になって中田とタイ記録に。決勝トーナメントまで行ったら11試合出場で記録更新となります。

 どんなメンバーが選ばれるかに日本中の注目が集まっていますが、別の角度から注目してみるのもロシアW杯の楽しみ方のひとつだと思います。

(取材・文 奥山典幸)
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