W杯で初導入の『ビデオ判定』…VARってどんな仕組み? 誤審がなくなる? 問題は起きないの? を一気に解説!
ゲキサカ / 2018年6月22日 22時17分
VARはビデオを見ながら介入を行うため、4人は画面上で役割分担が行われている。『VAR』は4分割されたモニタを通じて試合全体を追いかけ、誤審があったタイミングで主審とコミュニケーションを取る。その他3人の『アシスタントVAR』は、①引いたアングルのメインカメラ、②2分割のオフサイドライン、③寄りアングルのピッチサイドカメラをそれぞれ担当する。
今大会のVARシステムで注目すべき点は、これら4人が試合会場とは遠く離れたモスクワの通信センターに拠点を構えていることだ。33台のカメラ(うち8台がスローモーション、4台が超スローモーション)から送られてくる映像が、12の試合会場と直通する光回線を通じて送られ、VARが介入する際は無線システムで交信を行うことになっている。
ピッチ上の主審はVARからの連絡があると、「片手でマイクに手を当てるジェスチャー」を行い、プレーをストップことができる。そのタイミングとしては、ゴール前の局面などではなく、両チームに「中立」な状態でなければならない。その後、主審は必要に応じてピッチ脇のモニターでプレー場面を確認することができ、「両手の人差し指で四角を描く」サインを示した後、最終的な決定を下す形となる。
■『24%』の試合で誤審が修正された
国際サッカー評議会(IFAB)は今年1月、2016年3月のVARスタート以来、世界中の公式戦計804試合でテストを実施してきた。そのうち、リアルタイムで活用された試合を対象に分析内容を公開。VARの導入によって「24%の試合で誤審が正され、8%の試合結果が正しいものに変わった」という効果が明らかになっている。
さらに細かく見ると、VARが主審とコミュニケーションを取った回数は計3947回。1試合あたりの回数は5回未満だ。そのうち68.8%のケースではVARは介入せず、通信機器でのやり取りにとどまっている。また、VAR使用前に主審が下した判定は93%が正しく、「確実かつ明白な誤審」があったのは3試合に1回のみ。だが、VARを介したことによって、判定の精度が98.9%にまで上がったという。
■VARの介入は時間がかかりすぎる?
VARは導入当初から、手続きにかかる時間の長さが指摘されてきた。①VARがプレーの場面を映像で振り返ってから、②レフェリーがVARとコミュニケーションを取り、③必要に応じてレフェリーが映像を確認し、④そのうえで最終判断を下す――という複雑な段階を踏んでいくためだ。
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