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PKやり直し…そのとき選手は? 奈良クラブ「審判を攻撃するつもりはない」

ゲキサカ / 2018年6月15日 23時4分

会見を行った矢部理事長

 JFLの奈良クラブは15日、今月6日にパロマ瑞穂スタジアムで行われた天皇杯2回戦で、名古屋グランパスに1-1(PK5-4)で勝利した。しかし、同11日に日本サッカー協会(JFA)はこの試合で競技規則の適用ミスがあったとし、PK戦のやり直しを決定。Jクラブを下した喜びから一転、まさかの展開。奈良クラブの選手たちは一連の件をどのように受け止め、受け入れたのか。

 天皇杯2回戦の2日後、8日21時に選手やスタッフがクラブハウスへ集められ、JFAの須原清貴天皇杯実施委員長や審判委員長ら3名から「主審による競技規則の運用の誤りにより、奈良クラブを敗戦とする」ことについて、直接謝罪と説明を受けた。勝ったはずの奈良クラブとしては、受け入れがたいものだった。

 矢部次郎理事長が事前に「言いたいことがあるならば、その場で言いなさいと。協会の方にもあえて(選手たちを)コントロールしないので、とは伝えていました」と話していたこともあり、協会幹部を前に選手たちはそれぞれが思いをぶつけた。

 まさかの“敗戦”を告げられ、困惑している選手がほとんど。涙を流す者や凄まじい剣幕で抗議する人、ルールの説明に納得がいかない人、「どうにか違う方法はないのか」と問いかける選手もいた。紛糾するなか、翌9日が公式戦前日の移動日だったため、開始から約2時間で選手たちは解散。フロントと協会幹部らは「余地はないのか探ってほしい」と25時過ぎまで話し合いを続けた。

 複雑な思いを抱えたまま、10日にはJFL青森戦を戦った。試合は0-2の敗戦。オフサイドを巡る微妙な判定があったこともあり、いつも以上に憤る選手やスタッフが多く、矢部理事長も「(判定に)過敏に反応してしまっていましたし、僕自身もそうだった。皆が普通の精神状態ではなかったかもしれない」と振り返る。

 微妙な空気がクラブを包むなか、11日にまたも状況は変わった。JFAが国際サッカー評議会(IFAB)と確認作業を行う中で、「PK戦のやり直し」という選択肢があることが判明。11日の臨時天皇杯実施委員会で「PK戦のやり直し」が決定。奈良クラブに再び“勝者”となる可能性が出てきたのだ。

 敗退と思っていたはずが与えられたチャンス。チーム内では「次に進むのがベストなのか、(協会へ)抗議するのか」と話し合った末、15日に会見を行い、PK戦のやり直しに挑むことを表明した。

 振り回される格好になった選手たちだが、すでに切り替えているようだ。「PKばっかり練習しようぜ!」などと冗談が出るまでになってきた。「心の底から受け入れているというわけではないと思います」と選手の思いを代弁する理事長だが、「過敏になってピリピリなっているわけではく、本心は別にあったとしても、チーム全体で前を向いて、時にはネタにしながらやってくれているのは助かっています」と微笑むとおりだ。

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