心を揺さぶられるクロアチアのアツいプレー…歴史的初優勝まであとひとつ
ゲキサカ / 2018年7月14日 11時0分
明日決勝を迎えるロシアW杯。初の決勝進出という新たな扉を開いたクロアチアは、いかにしてイングランドを上回ったのか……。準決勝で現地解説を務めた山本昌邦氏が、そのポイントを振り返る。
延長後半に見せた
感動的なプレッシング
ルカ・モドリッチを筆頭に、マリオ・マンジュキッチ、イバン・ラキティッチらタレントが居並ぶクロアチア代表。彼らモドリッチ世代(=黄金世代)にとっては、最後のW杯になります。ダボル・スーケルらが築いた過去最高成績である1998年大会のベスト4を越えるんだ、自分たちが新しい歴史をつくるんだ、という想いが見ているこちらにも伝わってきて、それがこの試合をすばらしいものにしたと思います。
決勝トーナメント1回戦のデンマーク戦、準々決勝のロシア戦ではともに、延長120分プラスPK戦を戦い抜いてきました。結局、イングランド戦でも延長戦までもつれましたが、終盤のクロアチアのプレッシャーは鬼気迫るものがあり、感動すら覚えました。延長後半、1点ビハインドのイングランドは、前にボールを運ぼうとしても運ばせてもらえませんでした。
決勝まで進むチームですから、もちろん戦力も充実しています。4バックは安定していて、1トップと両ワイドが絡んで個の力で崩す攻撃もすばらしいですが、クロアチアといえばやはり中盤です。イングランド戦の中盤には、不動のモドリッチとラキティッチに加えて、ひとつ下の世代であるマルセロ・ブロゾビッチが入りました。このハイクオリティーな3枚の中盤は、相手チームや試合の状況に合わせて、配置を正三角形にしたり、逆三角形にしたりと、柔軟な対応ができます。優勝カップを手にするチームにおいてGKのビッグプレーは不可欠ですから、決勝ではダニエル・スバシッチのプレーにも注目したいですね。
武器を見失った……
イングランドの若さ
立ち上がり5分で、得意とするセットプレーで先制点を奪ったイングランド代表。ここまでFKやCKで素晴らしいキッカーを務めていたキーラン・トリッピアーが直接沈めています。これで全12得点のうち8得点がゴールになりました。
先手をとったところまではよかったですが、ジェシー・リンガードらがチャンスをつくりながらも追加点を奪えず。時間が経つにつれてイングランドはドタバタしてしまいました。若い世代が躍動しているイングランドは勢いに乗って準決勝まできましたが、クロアチア戦ではその“若さ”が仇となった印象です。
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