強豪大学相手に“裏インハイ“敢行して成長の西武台、負傷離脱の注目DF復帰まで勝ち続ける

ゲキサカ / 2018年8月29日 19時31分

後半14分、西武台高は10番MF若谷拓海が勝ち越しゴール

[8.25 埼玉県1部L第11節 西武台高 3-1 浦和南高 西武台高第2G]

 25日、高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2018 埼玉 S1リーグ(埼玉県1部リーグ)第11節が行われ、埼玉県新人戦準優勝校の西武台高とインターハイ出場の浦和南高との一戦は、西武台が3-1で逆転勝ちした。

 埼玉県1部リーグで首位の西武台はインターハイ予選で力を出しきれずに2回戦敗退。目標の全国出場を逃し、悔しい夏を送ることになった。だが、8月上旬に国士舘大、流通経済大、東洋大、専修大、立教大という関東大学1部リーグや2部上位の強豪大学と練習試合を実施(7月には法政大とも対戦)。インターハイが開催されている裏側でインターハイ出場チームよりもレベルの高い大学生のトップやセカンドチームと “裏インターハイ”を行って学び、自分たちの良さも出した選手たちは、自信を掴んでいる。

 ゲーム主将のFW関口崇太(3年)が「強い大学とやってきたので、高校生とやった時に楽でした」と語ったように、“裏インターハイ”後は余裕を持って高校生たちと対戦。この日は相手に主導権を握られる時間帯もあったが凌ぎ、後半の3得点で白星を勝ち取った。

 先制点は、9年ぶりに出場したインターハイで1勝の伝統校・浦和南が奪った。前半11分、縦パスのセカンドボールをMF中道麗心(2年)が拾うと、DFラインの背後へループパス。これに走り込んだFW佐藤智隆(2年)が右足ダイレクトでGKの頭上を破るゴールを決めた。

 浦和南はロングボールで西武台DFを押し下げることに成功。MF鹿又耕作(3年)や中道らセカンドボールの意識高く、それを拾って連続攻撃に持ち込んだ。相手が出て来なければ最終ラインから落ち着いて繋ぎ、サイドへ展開。正確なクロスも入っていた浦和南は13分にも右クロスからMF壁下竜人(3年)が左ポスト直撃の左足シュートを放った。

 西武台は相手に警戒されていた大型司令塔・MF大塚悠平(3年)のスルーパスや、関口の縦への仕掛け、MF齋藤紀樹(3年)の中央突破などから反撃。特にトップ下の位置からサイドで攻撃をサポートする10番MF若谷拓海(3年)がパス交換に絡むと、局面を打開し、チャンスに結びついていた。大塚は「(序盤は)自分たち跳ね返すだけで精一杯になっていた。前半の給水終わってから、セカンドボール拾って自分たちのテンポが出るようになった」。前半はCB相馬海音(3年)中心にラストパスやクロスをしっかりと身体に当てる浦和南DF陣の前に無得点に終わったが、好機を作り続けていた西武台は後半に3得点を奪い取る。

 5分、西武台は若谷の左FKのこぼれ球をFW谷直哉(2年)がバイシクルショットで決めて同点に追いつく。対する浦和南は12分にFW岡田竜哉(3年)のキープから佐藤が決定機を迎えたが、西武台GK高麗稜太(3年)がセーブ。すると直後の14分、西武台は対人守備で強さを発揮していた左SB佐野慧至(2年)の左ロングスローから、セカンドボールを拾った若谷が個人技でDF2人を剥がして右足で勝ち越し点を決めた。

 浦和南はベンチスタートの10番MF大坂悠力(3年)らを投入して反撃。中道や鹿又、岡田らが分厚い攻撃を繰り出したが、西武台はPA手前で跳ね返して得点を許さない。逆にカウンターやMF浦上颯太(3年)、若谷の突破から3点目のチャンスを作った西武台はアディショナルタイムに右SB小室佳祐(3年)のクロスから交代出場のFW佐藤駿介(3年)がゴール。守屋保監督が「インターハイは受け身になってしまった。自分たちから立ち向かっていた時は彼らの良さが出る」と語っていたが、苦しい時間帯でも西武台は前向きに戦って白星を勝ち取った。

 西武台の目標は激戦区・埼玉を突破して選手権に出場すること。そして、怪我で離脱した仲間とまたともに戦うことを目指している。8月の石川遠征で守備の柱・CBイディアゲリ康介(3年)が骨折。選手権予選準決勝や決勝に間に合うかどうかの状況だという。イディアゲリは大学生相手の“裏インターハイ”でも流経大主力組相手などに対して健闘。注目DFはここまでも怪我が多く、選手権への思いが一際強かったというだけに、その怪我はチームの雰囲気を重くした。

 だが、下を向いていることはできない。関口が「(監督の)守屋先生も『イディのままだとイディ以上にはなれないから、イディがいないことで逆にイディ以上になる人が出てこいよ』と話していた。最後自分たちの選手権は全てを懸けて全力でやっていきたい」と力を込め、若谷は「切り替えないといけない。イディのためにもという気持ちでやっています」と語った。イディアゲリと選手権を戦うという目標をエネルギーに変えている西武台はこの日、CB松井豊(3年)やCB小川倭(3年)が気迫のプレーで勝利に貢献。さらに力をつけ、選手権予選で必ず勝ち上がって、イディアゲリとともに全国に出場する。

(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2018

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