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播戸竜二がもたらした“化学反応”…FC琉球を栄冠へと導いた功績

ゲキサカ / 2018年11月6日 13時55分

FC琉球に意識改革をもたらしたFW播戸竜二

[11.3 J3第30節 琉球4-2群馬 タピスタ]

 第17節の藤枝戦以降、首位の座は揺るぐことがなかった。3日の群馬戦で4-2で勝利し勝ち点を63に伸ばしたFC琉球は、残り3試合を残してJ3リーグ史上最速優勝、そして創設15年で初となるJ2昇格を決めた。

 金鍾成監督が2016年就任当時から掲げていたコンセプトは「3-1で勝つサッカー」。失点を覚悟してでも前がかりな姿勢で得点を奪いにいくというそのスタイルは他のチームの驚異となり、総得点数(11月4日時点)64は2位の鳥取に11点差をつけている。

 また今節の群馬戦を含め、琉球が1試合で4ゴール以上をマークしたのは7試合にのぼり、その中には鹿児島や沼津といったJ3リーグ上位に名を連ねるチームも含まれている。昇格と優勝を争う相手の勢いを削ぐ攻撃力は、J3リーグ最強の矛と言う名にふさわしい形を示した。

 『95年組』と呼ばれる今年Jデビューした大卒ルーキーと、J3リーグが導入された2014年からプレーするGK朴一圭、MF富所悠、MF枝本雄一郎といった経験値豊かな選手が融合した琉球だが、その上で大きな存在となったのがFW播戸竜二である。

 『黄金世代』と呼ばれた79年組の一人として実績を残す播戸は、G大阪を皮切りに札幌、神戸、C大阪、鳥栖と渡り歩き、2015年には大宮のJ1復帰に貢献する。しかし昨シーズンは負傷の影響でルヴァン杯3試合の出場に留まり、昨年末に契約満了で退団。一時は引退の方向に気持ちが傾きかけていたが、琉球の倉林啓士郎社長から「力を貸してほしい」と直々の願いを受け取ったことで、選手として戦い続けることを決めた。

 チームをJ2に上げる使命を託された播戸は、選手との初めての顔合わせの時「チームの目標としてJ2昇格というものがあると思うが、ここにいるみんなとJ3リーグ優勝という経験を味わいたい」という強い意志を伝えた。優勝経験の少ない選手が揃う琉球においてこの播戸の言葉は初めこそ実感が持てなかったものの、長年培ってきた経験と技術を若い選手たちに惜しげもなく伝え続ける播戸の姿に次第に心を引き寄せられ自信も植え付けられていき、昇格という妥協点から優勝という強い意識が、チーム全体に広がっていくようになった。

「自分ができることをしっかりしようと思ったし、プレーという意味では若手もベテランも関係ない。怪我なく一年間を通して戦えることを意識し、自分ができることをしっかりやって示すことが重要だと思った。若い選手にはJ3というステージで結果を残していけばさらに上を目指せるんだということを伝えてきたし、だからこそ優勝を達成してJ3チャンピオンとしてJ2に行こうと話しをしてきた」

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