ソーシャルフットボールの地域選抜選手権が10日に開幕。うつと戦う日本代表・松嵜の喜びと苦悩
ゲキサカ / 2018年11月9日 20時25分
精神疾患や精神障がいにより医療機関で治療を受けている人がプレーするソーシャルフットボールの「第1回地域選抜選手権」が10、11日に東京・足立区の帝京科学大で開催される。所属クラブの人数の関係等で出られない選手にチャンスを与え、普段は対戦している選手同士の交流を図る意味で初めて8地域(東北、関東、甲信越北陸、東海、関西、中国、四国、九州)を結成。関東選抜で出場する日本代表の松嵜俊太郎の言葉に力がこもった。
「チームメートになる人も普段は相手チームで顔を合わせている人も多いし、関東勢の強さを見せて優勝したい」
松嵜は大学入学後、公認会計士の資格をとるために専門学校にも通っていたが、頑張りすぎて眠れなくなる日が続いた。それでも大学に通い続け、ある日、ついに起き上がれなくなった。うつ病を発症していた。
「1日天井みあげて終わった日もあります。当時、妹も統合失調症にかかり、家の中も大変な状況でした。落ち着く場所がなくなってしまったんです」
その後、埼玉県春日部市内の自宅近くの病院に通ったが改善せず、大学は中退。2012年1月、両親に連れられて千葉県流山市の精神科「ひだクリニック」を訪れた。デイケアプログラムの一環として、フットサルのクラブチーム「Espacio」の練習が組み込まれていたことを知る。通院を始めて半年たった同年7月から松嵜はボールを蹴り始めた。
「最初は人と関わることが怖く、電車に乗ると動悸がしたので病院にも電車で行けなかったほどです。人の集団に入っていく怖さはありましたが、一方で高校時代にやっていたサッカーを途中でやめた後悔もあったので、やってみました。(監督の)大角(おおづの、浩平)さんがすごくフレンドリーに接してくれて……。話しかけてくれたこと自体、うれしかった。ボールを蹴ったのは高校1、2年以来で全然へたくそになっていましたが、それでもとても楽しかった。けがしたしたときに『早く練習戻って来いよ』と仲間が声をかけてくれたりしたのもうれしかったんです」
1年後の2013年7月からは主将に就任。通常、Espacioでは1、2年で主将を交代するが、松嵜は5年ほどつとめ、選手としても日本代表にまで選ばれるまで成長した。並行して、スーパーマーケットで品だしなどのアルバイトもはじめ、社会との接点を増やしていった。今年3月から障がい者雇用で大手広告代理店に就職。30歳で訪れた春だった。
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