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桐生一との激闘制す!王者の重圧乗り越えた前橋育英が全国までの「時間」得る

ゲキサカ / 2018年11月19日 7時28分

 前半を我慢強く0-0で折り返した桐生一が、この日最初のCKでスコアを動かす。6分、田中の右CKをファーサイドの小澤が折り返すと、相手DFの前に飛び込んだ中野が右足で先制ゴール。ベンチへ向けて走った中野中心に青の輪ができた。

 だが、前橋育英は14分、この日好フィードを続けていたCB山原康太郎(3年)が右サイド後方から斜めのボールをPAへ蹴り込む。前半から「(桐生一が)嫌がっていた」(山田監督)という背後を狙う攻撃。これにタイミング良く反応した室井がPKを獲得し、自ら右足シュートを左隅に決めて同点に追いついた。

 後半、桐生一は高い位置でボールに絡む田中のスルーパスなどからサイドを攻略。18分には左サイドを抜け出した小澤がゴール方向へ切れ込み、ラストパスからFW小池泰誠(3年)が決定的な右足シュートを放つ。その後も田中と小澤のコンビでチャンスを作り出す桐生一は27分にU-17日本代表MF若月大和(2年)を投入。相手DFの前に鋭く潜り込む若月が突破、シュートで前橋育英ゴールを脅かした。

 だが、前橋育英はゴール前での集中力が高く、簡単には決定打を打たせない。逆にSB若月のクロスを榎本が頭で合わせたほか、アジリティー高い室井の仕掛けなどから勝ち越し点を狙う。

 熱戦に決着をつけるゴールは後半アディショナルタイムに生まれた。前橋育英はショートパスを繋ぐと、右サイドで交代出場MF長澤壮竜(3年)からのパスを受けた若月が右足でPAへボールを入れる。これを受けた室井は一度失いながらもスライディングでボールを奪い返して反転。そして右足シュートをゴール左へ蹴り込んだ。

 この日2点目、劇的な勝ち越しゴールを決めた室井は大歓声の中、スタンドへダッシュ。勝利に大きく近づいた前橋育英イレブンがスタンド前、ピッチ内で喜びを爆発する。桐生一もすぐに反撃するが、残された時間が短すぎた。昨年と同じく終了間際の得点によって前橋育英が2-1で勝利。群馬5連覇を達成した前橋育英が全国大会までの「時間」を得た。

 秋山は「時間が大切というチームのスローガン。時間が自分たちにとって大事でした。(高橋)尚紀、(岡本)悠作、(石井)陽向が怪我してしまって選手権前は痛かったんですけれども、(全国大会までの)時間を作ることができたので、また競争して、全国ではまたレベルアップした育英を見せられたらなと思っています」と語った。

 主力3人が復帰するまでの「時間」、競争をする「時間」を得た前橋育英。一時先発から外れた「時間」に考え、成長するきっかけを得ている若月は「単純に試合を外から見て感じることもあると思いますし、彼らが入ってきて競争が増して活性化すると思うので、そこはチームとしてさらにレベルアップするチャンスかなと思います」と期待した。

 室井は「去年日本一取ったんですけれども去年は去年なんで、自分たちの代で日本一取れるように頑張りたいです」。プレッシャーを乗り越え、仲間たちと「高校サッカーができる時間を伸ばす」(若月)という目標をクリアした前橋育英。新たな競争から這い上がってくる選手を含めて進化し、全国連覇に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2018

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