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会見中に両親のことを思い出して涙…山口内定DF起海斗「感謝しかない」

ゲキサカ / 2018年12月18日 21時50分

山口内定DF起海斗(右)は会見でのコメント中に涙

 興國高からJリーグへと進む選手の合同内定記者会見の終盤に差し掛かり、記者から家族への感謝を訪ねる質問が飛んだ。マイクを握った山口内定DF起海斗(3年)は、「家族にはいつも…」と切り出したものの涙が溢れ、その先の言葉続かない。何とか言葉を振り絞った起は、「色々あったけど、いつも応援してくれた。上手く行かなくて凹んで家に帰っても、すぐに気付いて励ましてくれた。中学も高校も手がかかったと思うけど、感謝しかない」と続けた。

 言葉の通り、決して優等生というキャラではない。中学時代は、不真面目な授業態度が問題視され、両親が学校に呼び出された回数は数えきれない。「嫌な顔一つせずに学校に来てくれた。迷惑をかける度に『もうせえへんよな?次やらんかったら良いから』と言ってくれた両親のことを思い出して、涙が堪えられなかった」。

 興國に入学した直後は、「高校でプロになって恩返し出来ればと思っていた」ものの、理想通りに物事は進まない。同期のFW村田透馬(J2岐阜内定)とDF荒木遼太が1年目からAチームに定着する一方で、起は一度Aチームに上がったものの、すぐさまBチームに落とされた。FWから左SBに転向した2年目はAチームでの出場機会を増やしたが、上手く行かないことも多く、「サッカーを辞めようと思う」と両親に伝えたこともある。だが、父親からかけられた「海斗がサッカーを頑張っているから、俺らも頑張れている」という言葉によって、踏み止まることができたという。

 学業には真面目に取り組んできたため、「高校に入ってから、親が学校に来たのは僕がオファーにサインする時だけだった」(起)が、サッカーでは内野智章監督の言葉を素直に受け止められなかった。ただ、「もっとちゃんとしようと思った」今年4月以降は、短気な性格が目立ったプレーを改め、サッカーと真摯に向き合うと、直後に「日本に少ない左利きのサイドバックをずっと探していた」(石原正康GM)山口の目に留まった。

 練習に一週間参加すると物おじしないしない性格がスタッフから評価され、4月下旬に正式にオファーが届いた。起も「毎日の練習メニューが違って、ここなら成長出来ると思ったのでオファーを貰ってすぐに返事をした」ことで、ゴールデンウイーク明けには来季からの加入内定が発表された。

「ギラギラした選手が良いと思っている。若くて向上心や野心があり、『試合に出て次のステージに行きたい』という選手が集まる集団になると、チームがまた強くなる。そう思って選手を集めたら、個性の強い選手ばかりになった」。石原GMがそう明かすように今年、山口が獲得したルーキーは獲物を狙うかのようなボールハントが持ち味のDF小野原和哉(流通経済大)、競り合いに勝つ度に雄たけびを上げるDF菊池流帆(大阪体育大)など癖のある選手ばかりだ。

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