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障がい者と健常者の交流イベントを23日に開催。20年間現場で走り続ける”女神”の願い

ゲキサカ / 2018年12月21日 7時0分

 夫・幸雄氏は誕生時に酸欠状態から脳性麻痺になった。それでも中学ではハンドボール、川崎市役所に就職後は陸上と水泳をやり、雑誌でCPサッカーの存在を知り、サッカーチーム「横浜ドリーマー」を結成。アテネパラリンピックを目指して日本CPサッカー協会設立にも尽力。2009年には障がいのある当事者として初めて日本代表監督にもなった。妻が続ける。

「彼やその仲間の人が泥だらけになって、夢中になってサッカーをやる姿が驚きでした。その光景を見て、彼らが直面する問題をひとつずつ解決したいと考えました。高校まではサッカーを楽しめたのに、就職後はサッカーを楽しめる場がなくなり、『何のために働くのか』とやりがいが薄れたり、自分たちが力をつけて積極的に社会に出ていかないといけないのに、周りがやってくれることに甘えて、自らやろうとしない人もいた。障がいのあることで、生きていく上での自信を失い、自分の意見があっても発することができない人もいる。自立できずに、誰かに頼りがちになってしまうんです。そういった課題の改善を、サッカーを通してできるといいなと思いました」

 2001年に日本CPサッカーの協会を発足し、2002年にCPサッカークラブの「エスペランサ」を設立。2012年にNPO法人「CPサッカー&ライフエスペランサ」を立ち上げ、サッカーの練習に加えて、コミュニケーションの練習をする場も設けた。2015年から「放課後等デイサービス・エスペランサNEXT」を開始し、富士通スタジアム川崎のグラウンドで障がいのある子どもたちが週3回、一緒に過ごせる場を設けた。放課後の教室には、知的障がいや発達障がいのある子どもたちも集まってくる。

「脳性まひで障がいがあり20歳こえた選手が、仕事を終えたその足で、川崎の教室の手伝いに来てくれます。日本代表にも入っているその選手は知的な障がいもありますが、彼が勤めている職場で、ほかの人を束ねるリーダーになった。好きなサッカーがあるからこそ、それを生きがいに仕事も頑張れるいい例です。彼の姿を見た子にとっても、『将来こうなれる』といういいモデルになっています。私がのぞんでいるのは、最低限の生活と言う意味での自立ではなく、障がいがあっても普通に活躍すること。ポジティブな意味の社会参加のきっかけを作りたいんです」

 自分が作った『場』のどこかに必ず顔を出し、解決したい問題を肌で感じる。生きがいが仕事になった障がい者サッカー界の”神サマ”は、願いをかなえるまで、走り続ける。

【JIFFインクルーシブフットボールフェスタ2018 開催概要】
11:00 第一部:障がい者サッカー体験会/キフティング
13:15 セレモニー(合同開会式)
13:30 第二部:インクルーシブフットボール(小学生対象)/まぜこぜスマイルサッカー (ウォーキングサッカー)
15:00 閉会式、記念撮影

(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ

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