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“ビデオ判定”連発しすぎ…? アジア杯導入1日目で起きたVAR事例を考えてみた

ゲキサカ / 2019年1月25日 14時47分

 1回目と同様にピッチ脇モニターへと向かった主審は映像を確認し、再び長方形のジェスチャーを行って判定を修正。これにより、日本にPKが与えられた。これを堂安が決めて先制に成功すると、試合はこのままのスコアで終わって日本の4強入りが決定。1度目はVARに泣かされつつも、2度目で報われるという結果となった。

 ここで注意したいのはVAR介入の場面。プレーがいったん切れた後に再開されてしまえば、原則として介入することはできないため、プレーの切れ目の中断はギリギリのタイミングだった。その一方、両チームにとって中立な状況であればインプレー中も介入可能なため、より迅速に中断させることもできたかもしれない。

 また、ファウル見逃しが「明白かつ確実な誤審」だったかという点では議論が分かれそうだ。堂安への接触は2度起きており、2度目が決定的な反則行為となっているため、2度目の接触が主審の目から見えていないとすれば「誤審」があったといえる。一方、もし見えていたなら当初のノーファウル判定を支持するべきだったと言えそうだ。

【事例3】イラン対中国 ①得点
 2試合目の介入は前半31分、味方のフリックしたボールに反応し、PA内に抜け出したイラン代表FWサルダル・アズムンが相手GKをかわしてゴールを決めた場面。ここではシュートの直前に中国代表DFリュウ・イーミンと競り合っており、そこでファウルがあったかどうかが争点となった。

 だが、主審が映像を確認した結果、リュウの転倒は自ら足を伸ばしてバランスを崩したことによるものであることが分かり、アズムンのゴールは認められた。すなわち、映像確認を経ても判定は覆されず、そもそも「明白かつ確実な誤審」の疑いもなかったため、VARが介入する必要はないというケースであった。

 以上の3事例を整理すれば、少なくとも3例中2例はそれほど介入の必要性が見られない場面だったということができる。吉田は試合後のテレビインタビューに対して「おそらく前例をつくるために使いたがるだろうとわかっていたので仕方ない」と語っていたが、まさに『使いすぎ』と言えるだろう。

 なお、この傾向は昨夏のロシアW杯でも同様だった。全64試合で計21回の介入が行われた中、グループリーグ48試合で19回の介入があった一方、決勝トーナメント16試合ではわずか2回にとどまった。アジア杯は残すところ5試合だが、W杯でのトラブルを考えれば、適切な基準で運用されるまでは、まだまだ時間を要するかもしれない。

(取材・文 竹内達也)
●アジアカップ2019特設ページ

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