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パラリンピック落選のCPサッカー日本代表主将・浦辰大が明かす「無念」と「諦めない理由」

ゲキサカ / 2019年1月26日 11時18分

「永遠のライバル、世界選手権頑張れ!!」

 ツイッターをやっていなかった浦は、母を通じ、弟のメッセージの存在を知った。浦がやや声を震わせながら振り返る。

「何で、何で、何でこんなに優しいんだろう、と。こんなに突き放していたのに応援してくれていたことを知って、自分自身が凄く情けなくなりました。僕はずっと弟から『下』に見られていたんだろうな、と思いがずっとあったし、だから『ライバル』と書いてあったことを知り、『そう見てくれていたのか』と。何ていうか、うれしくて…。8年間、無駄な時間を過ごしたな、と後悔していますし、弟には感謝しかありません」

 そこですぐに『ありがとう』『今までごめんな』と電話で言えないのが、兄貴のプライドであり、照れもあるのだろう。その分、弟が大事な大会前になると「頑張れよ」とLINEを送るようになり、まずはSNSを通して徐々に会話が再開した。面と向かって話すようになったのは、約2年前。つい最近のことだ。

「弟が僕のこと、そしてCPサッカーを応援してくれています。僕も、プロのサッカー選手を目指している弟を応援したい。そのために何ができるだろうと、ずっと考えています。それがなかなか思い浮かばないのがつらいんですが……。僕は弟のライバルとして恥じないよう、今やっているCPサッカーで結果を残したい。そしてパラリンピックに出て、弟を喜ばせたいんです」

 25日のIPCの決断により、CPサッカーのパラリンピック復帰は早くても2028年まで延びた。それでもまだ22歳の浦には出場できる可能性は残っている。左足が思うように動かなくても、バランスを崩して転んでも、ボールを必死に追い、その先にあるパラリンピック出場の夢も追う。まず最初に、一方的に突き放しても応援してくれていた弟の笑顔を見るために……。

(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ

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