英語でのスピーチに拍手喝采、麻也「我々はアジアを代表している」
ゲキサカ / 2019年2月1日 7時33分
アジアカップ決勝を翌日に控えた31日、試合会場のザイードスポーツシティ・スタジアムで行われた公式会見で日本代表キャプテンのDF吉田麻也(サウサンプトン)が報道陣から拍手喝采を浴びる場面があった。
森保一監督とともに公式会見に出席した吉田は会見の最後に中東メディアから質問を受けた。日本が決勝で対戦するカタールは準決勝で開催国のUAEを4-0で下したが、国交断絶中の両国の試合は異様な雰囲気の中で行われた。試合前の国歌斉唱ではカタール国歌に対してブーイングが浴びせられ、カタールが得点するたびにスタンドからは数多くのペットボトルやサンダルが投げ込まれた。
決勝に勝ち上がったのはカタールだったが、国交がないため一般のカタール人はUAEに入国できない。地元のUAEのファンは日本がカタールに勝つことを期待し、決勝のスタジアムは日本のホームに近い雰囲気になることも予想される。
こうした状況を踏まえ、決勝でもカタールは心理的なプレッシャーを感じるのではないか。英語での質問に吉田は英語で応じた。ピッチ外の騒動に関しては「それはAFCがコントロールすべきことだと思う。我々のコントロール外にある」としたうえで、「我々がすべきことは自分たちにフォーカスすること」と強調した。
「自分たちをコントロールするにはメンタルが重要で、特にアジアではそう。審判のジャッジも日本のスタイル、欧州のスタイルと異なるが、我々は大会を通して適応し、ここまでの6試合はうまくプレーできている」
ピッチ外の出来事や周囲の環境に惑わされることなく、自分たちのやるべきことに集中する。その重要性を説いたうえで、アジアカップが大会のキャッチフレーズやハッシュタグに「Bringing Asia Together」を使用していることを踏まえ、「もし明日の試合が世界中に放送されるなら、僕はそうした愚かなことは見たくない。我々はアジアを代表しているし、『Bringing Asia Together』というハッシュタグの下でプレーしている。アジアのすべての選手が良いサッカーを見せることが重要だと思う」と、その言葉に力を込めた。
「明日もフェアプレーでカタールと戦うことを楽しみにしている」。準決勝のイラン戦では試合終盤に両チームの選手が入り混じっての小競り合いも起きたが、「(試合後に)何人かがホテルのエレベーターでイランのチームと会ったとき、彼らは試合の最後のことを謝ってきた。それがスポーツマンシップ、フェアプレーだと思う」と明かし、「明日も両チームが100%の努力をして、フェアプレーで戦うことを期待している。良い試合を世界中に見せたいし、それが日本だけでなく、アジアのサッカーにとって次のステップになると思う」と回答を締めくくった。熱いメッセージを込めた英語でのスピーチに、会見場では海外メディアも含めた報道陣から大きな拍手が起こった。
(取材・文 西山紘平)
●アジアカップ2019特設ページ
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