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[もうひとつの高校選手権・開幕直前]出場校紹介:東京都立永福学園

ゲキサカ / 2019年2月8日 18時20分

ロングシュートを狙う永福学園・赤須主将(中央)は2大会ぶりの優勝に燃える

「もう1つ、メダルが欲しい」。王座奪回を目指す“ルーツ校”のプライド

 第4回全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権「もうひとつの高校選手権」が16日に静岡県藤枝総合運動公園サッカー場で開幕する。ゲキサカでは本日から代表10校を紹介する。

 2大会前の全国制覇をピッチで味わった永福学園のFW赤須勝一郎主将は、再びあの歓喜の瞬間を味わうために、静かに闘志を燃やしている。

「優勝した年の全国大会は3試合とも試合に出られたのですが、優勝した直後は全国一のチームになった、という実感がわかなくて……。でも、少し日がたってから実感がわいてきました。その時のメダルは家に飾ってあります。できればもうひとつ、飾りたい。僕は前線のプレーヤーなので点をとってチームを楽にしてあげたいです」

 2大会前はルーキー、今年は主将。赤須の立場も変わり、いるメンバーも違う。

「高校からサッカーをはじめた生徒も多いので、トラップ、パスなど基本的なことを大事にして、試合のプレッシャーの中でもできるように心掛けています。ピッチが広いので、その中で自分がどこにいるかを言えるようになるために、しっかり声を出すことをウォーミングから徹底しています」

 1月のある日の練習場。ピッチ脇にいた末松龍元監督は具体的に声を出して指導する時間より、見守る時間の方が長かった。「ポジショニングも、こちらが指示を与えるのではなく、自分たちでいいポジショニングをとれるようにしてほしい。私が選手たちにすべてを指示できるわけではありませんので」

 中学までは大人から障がい者として守られがちだった生徒たちにあえて主体性を促し、まず自ら考えて行動することを促す。普通高校の生徒以上に指示を理解させることに時間とエネルギーがかかることを承知の上で、あえて「遠回り」の指導に挑むのは、サッカー部とは別の部で起きた、ある苦い教訓が背景にある。2017年8月、ペナルティーを与える形で約10km走ることを命じられた生徒が熱中症をおこし、意識不明の重体に陥り、メディアでも取り上げられた。三谷保・副校長がこうべを垂れてこう明かす。

「ペナルティを与える指導に対し、日本全国からおしかりをいただきました。とにかくヤラセの指導は絶対にやめようと。まずは生徒たちにしっかり理解させた上で指導することを徹底する原点に立ち返りました。ですからサッカー部も、言われたことをやるのではなく、自分たちで考えながらやってほしいんです」

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