[新人戦]昨年はプリンス未勝利、県内無冠。苦難の時期にも腐らず、「光が見えるまでやり続けた」鹿児島城西が九州制覇!!
ゲキサカ / 2019年2月19日 18時36分
後半20分、鹿児島城西は連続でCKのチャンス。左CKをMF北條真汰主将(2年)が右足でゴール前に入れると、こぼれ球を交代出場のMF今福晃星(2年)が右足でゴール右隅に決めた。
追いつかれた大津は、MF樋口堅大主将(2年)やFW半代将都(1年)がスペースを突こうとするが、鹿児島城西は新田祐輔監督が「この大会で池田、田島、山下は本当に良くなったと思います」と評したDF池田真太朗(2年)、DF田島伊霧稀(2年)、DF山下玲(2年)の3バックが、安定。得点を許さない。その後スコアは動かず、後半終了。優勝を懸けたPK戦へ突入した。
PK戦は互いに4人目まで成功。そして5人目、先攻・鹿児島城西の田島が左足で決めたのに対し、大津は準決勝2得点の樋口の右足シュートが枠上に外れてしまう。この瞬間、8年ぶりの優勝を決めた鹿児島城西イレブンが喜びを爆発。昨年、悔しい思いを続けてきた選手たちに対し、新田監督は「この子たちが一番悔しかったと思う。だからこそ、今大会嬉しかったと思います」と笑顔の選手たちに目を細めていた。
主将の北條は昨年のプリンスリーグは大量失点、敗戦が続いて精神的にキツかったことを明かす。「でも、誰よりもキツかったと思う監督さんが負けた次の日でも、ある時は目が充血している時もあったんですけれども、そんな中でも『ここで腐るな』『いつか光が見えるまでやり続けることが大事』とずっと言われていた。去年負けたものを積み上げてきて勝ちに繋げることができた」と胸を張る。新田監督は昨年の新人戦から名将・小久保悟監督(現総監督)の後を継いで指揮。選手、コーチ陣ともに腐らず、成長するために努力し続けたことが一つ結果に結びついた。
FW大迫勇也を擁した08年度選手権で全国準V。09年度から11年度まで九州新人大会で3年連続決勝進出し、14年度から16年度まで選手権予選3連覇を果たすなど「強い城西」を取り戻すための第一歩。やらなければならないことは攻撃も、守備もまだまだある。それでも、「今の世間の人たちは、『城西は弱い』という印象があるかもしれない。でも、『そうじゃない』と。自分も城西が強いと思って入ってきたし、名門だしこのままじゃダメだという気持ちをみんな持っている」(北條)という鹿児島城西が、この優勝に満足することなく、リーグ戦も含めた鹿児島4冠、日本一へ勝ち続ける。
(取材・文 吉田太郎)
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