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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:閃光少年(昌平高・小見洋太)

ゲキサカ / 2019年2月22日 17時0分

 以降も攻守へ全力で走り回るプレースタイルに、少しずつスタンドにも彼の“ファン”が増えていく様子が見て取れる。目立つ坊主頭ということもあってか、とりわけ子供たちからプレーへ歓声が上がっていくようになる。そのことを伝えられ、「小さい子は結構好きなので嬉しいです」と照れ笑いを浮かべる表情は、まだ子供のような幼さを残していて微笑ましい。

 少し押し込まれる展開にもかかわらず、大和と紫藤の連携で前半の内に先制点を奪うと、1点をリードした後半4分に小見へ決定機が訪れる。中央で前を向いた大和は、「自分でターンした時にシュートが第一の選択肢にあったんですけど、洋太の方がフリーで見えて、『あそこに出せば決めてくれるな』って信頼感はあるので」と後輩へスルーパス。かなり強めのボールを抜群のトラップで収めた小見は、冷静にボールをゴール左スミへ流し込む。

「結構パスが速くて浮いていたんですけど、準備はできていたので良いトラップをして、あとは空いている方に流し込めたので良かったです。グラウンドも天然芝でフワフワだったので、『人工芝だったら流れていたかな』というのもあるんですけど、まあ、良かったです」。これで新人戦は初戦から4戦連発。昨年度は森田翔や西村悠希、伊藤雄教など複数の選手が入れ替わりながら務めていた1トップのポジション争いへ、シンプルに結果という形で堂々と名乗りを上げていく。

 ただ、観客を最も沸かせたシーンはディフェンスで。相手のセンターバックがサイドでボールを持つと、逆サイドにいた小見は大きく迂回するような曲線を描いて、後方から全速力で忍び寄る。結果的に察知され、“作戦”は成功しなかったものの、「アレは足音を立てないで行くヤツですね(笑) 自分とかもやられるとやっぱり嫌ですし、ディフェンスにああいう守備をするともう蹴らざるを得ないので、時々やります」と本人が明かせば、「体のサイズがない分だけ、いろいろ考えて工夫すると。そういう所の工夫は楽しいかなと思いますね」と指揮官。ディフェンス面で歓声を浴びるストライカーは、決して多くない。

 後半39分に交替でピッチを引き上げる際には、スタンドからも拍手が送られる。3‐0と勝利を収め、埼玉での“一冠目”を手にした昌平の中でも、「動き出しとゴール前での冷静さが特徴だと思います」と自らを分析する11番は、大きな存在感を見る者に残して、自らの自信とスタッフ陣からの信頼を手に入れたのではないだろうか。

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