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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:閃光少年(昌平高・小見洋太)

ゲキサカ / 2019年2月22日 17時0分

 元々は大宮アルディージャのジュニア出身。親の勧めもあり「自分は結構ドリブルが好きなんですけど、LAVIDAはドリブルとパスをうまく使い分けながら行けるので、自分の好きなことができるLAVIDAを選びました」と言及したように、中学時代は昌平と重複するスタッフが指導に当たっているFC LAVIDAで“足”を磨く。「指導者がだいたい変わらないので、結構自分のプレーもわかってくれていて、やりやすい部分もあります」と本人。昌平にとっては最長で6年間に及ぶ育成のスパンを考えても、ある意味で“昌平らしくない”小見がどういう形で成長していくのかは、1つの指針になり得るのかもしれない。

 気になったのは、その坊主頭。決して何かを“やらかして”そうなった訳ではない。「もう小さい頃からずっと坊主で、逆に長いと重く感じるので、ちょっと伸びてきて耳とかに触るだけでも、もうかゆくて『嫌だな』みたいな感じなんです(笑)」。3年前の全国総体4強を支えた、塩野碧人を彷彿とさせるような風貌が懐かしい。そう言えば、塩野も見た目のいかつさと笑顔のカワイさのギャップが魅力的だった。昌平と坊主頭の伝統は、ここにも息衝いている。

 同級生の10番の存在も大きな刺激になっている。「須藤は高校選抜とかも選ばれて、『凄いな』と思う部分もあるんですけど、『負けてられないな』って想いもあります。やっぱり代表を狙っていけるように、そのためにはまだまだ足りないですけど、そういう高い所を意識してやっていきたいです」。取材対応を終えた小見と、彼を待っていた須藤が連れ立って帰っていく光景に仲の良さが窺えたが、慣れない会場ゆえに勝手がわからず、右往左往しながらようやく見つけた出口からニコニコ去っていくあたりに、高校1年生の日常を垣間見る。彼らの切磋琢磨もチームを活性化する要素として必要不可欠だ。

 藤島監督は彼についてこう語る。「もちろんまだまだできないことはありますけど、ちょっとアイツしかできないことがあるというか、テクニカルには見えないですけど、なんかツボを心得ているというか。面白いですよ」。まだまだできないことがあるけど、彼しかできないことがある。テクニカルには見えないけど、なんかツボを心得ている。その文字が勝手に旋律を奏で出しそうな期待感が、指揮官の紡いだフレーズに滲んだ気がした

「もっと技術の部分で上手くなりたいですし、まだまだ決定力も足りないので、そういう所を磨いていきたいなと思います」。そう言ってはにかむ笑顔は、まだまだあどけない16歳の少年そのもの。彼しかできないことがあって、なんかツボを心得ている。タレントの居並ぶ昌平高でも異質の個性を有する小見洋太が今、いよいよ表舞台に躍り出ようとしつつある。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」
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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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