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アジア王者から鮮烈2発!! JFL出身の大分FW藤本、成り上がりの秘訣は「何とかなる精神」

ゲキサカ / 2019年2月24日 8時3分

ハットトリックを逃したことで、サポーターに悔しそうな表情を見せる大分FW藤本憲明

[2.23 J1第1節 鹿島1-2大分 カシマ]

 4年前までアマチュア選手だった遅咲きストライカーがアジア王者の堅守を打ち破った。6年ぶりにJ1の舞台に挑む大分トリニータは23日、リーグ開幕節で鹿島アントラーズと対戦。この日がJ1デビュー戦となったFW藤本憲明(29)がJ1初ゴールを含む2得点を挙げ、開幕白星スタートを飾った。

 青森山田高、近畿大出身の藤本にとって、社会人キャリアの第一歩は当時JFLの佐川印刷SC。午前中はサッカーの練習、午後は工場勤務という生活を4年間続けながらもJリーガーの夢を諦めなかった。「我慢と結果」に向き合ったという苦しい時代を「あの時が長かった」と素直に振り返る。

 転機となったのは15年末、所属クラブの解散だった。すでに所帯を持つ身ではあったが、「逆にチャンスだと思った」とステップアップ先を模索。同カテゴリのJFLからJ3への参入が決まっていた鹿児島ユナイテッドFCのオファーを受け、晴れてJリーグの舞台に上り詰めた。

 キャリアはそこから上昇気流に乗った。J3初年度に27試合15得点を挙げてリーグ得点王を獲得すると、翌17年には30試合24得点という圧倒的成績で2年連続の栄誉を受賞。翌18年、大分への移籍で初めてJ2リーグに挑み、26試合という出場機会ながらチームトップタイの12得点を記録。悲願のJ1昇格に導いた。

「やっとJ1に来ることができたので、JFLとJ3の選手の目標となれるようしっかり結果を出して、J1に行けるチャンスがあるというところを見せたい」。そうして迎えた今季、29歳にして初めてJ1のピッチに立った。それも昨季アジア王者の鹿島に対し、希望を与えるには十分すぎるほどのパフォーマンスを見せた。

 まずは前半11分、韓国代表DFチョン・スンヒョンとの競り合いを得意のターンでスルリとかわすと、単独突破でGKクォン・スンテと1対1の決定機を迎えた。「うまいこと手に当たった」というビッグセーブに阻まれたものの、「得点のにおいがするなと思った」と動じず。前向きに次のチャンスを待った。

 すると8分後、ついに歓喜の時が訪れた。磨き上げてきた前線3枚のコンビネーションからPA内に切り込むと、うまくPA左に持ち出して左足を一閃。今度はクォン・スンテもまったく動けず、ボールは一直線にゴールへと突き刺さった。「良いシュートだったかな」。自画自賛の一発だった。

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