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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:インパクト(清水エスパルス・金子翔太)

ゲキサカ / 2019年2月27日 20時0分

 ある選手との“競争”にも話が及ぶ。「航也も今日は点を取って、どっちも9点と9点なので、お互いに『残り6試合で二桁には乗せたいね』と話しています」。北川航也。仲の良い1つ下の後輩。なかなか公式戦の出番を得られない時間を共有し、同じような時期から出場機会を得るなど、切磋琢磨してきたライバルだ。「アイツも公式記録とかチラチラ見ているんで、意識はしていると思います。ただ、先に二桁を取った方がPKを取ったら片方に譲る、というのは公約として決めているので、僕が早めに二桁を取って、アイツにPKを譲って、『ごめん!』みたいなことを言わせたいと思います(笑)」。

 確たる結果を積み重ねてきたからこそ、見えてきたのはその先の景色。二桁得点と日本代表。どちらも手の届く位置に迫ってきているような状況ゆえか、いつも通りのクレバーさの中に、いつも以上の熱量を秘めるような口調だったことが、はっきりと記憶に残っている。

 10ゴール7アシスト。2018年シーズンは、最終節でゴール数を念願の二桁に乗せた。ミッドフィルダーを主戦場に置く選手として、リーグ最多の数字。目指していた境地へとうとう辿り着くことに成功する。ただ、前述した昨年9月のFC東京戦から、最終節まで得点に見放される時期が続いていた。

「『自分の長所は何なのか』という面で、昨年はちょっとそのことを考え過ぎてパフォーマンスを崩した時期もあったんです」。“そのこと”とは、日本代表のゲームで目の当たりにした“個の推進力”。欧州でも活躍するアタッカー陣のプレーを見て、個人での仕掛けを意識するあまりに、少しだけ自身の持ち味を見失い掛けたことで、肝心の結果が付いてこなくなる時期を経験した。

 それから半年に及ぶ月日は、改めて自分を再確認する時間になった。「第一に代表の彼らにない良さは、例えば守備のハードワークとか、走ったりとか、周りの選手をうまく生かしたりとか、もちろん個で行くのも前線の選手は大事な所だと思うんですけど、今日のアシストみたいにうまく自分で連携やコミュニケーションを取って、周りも生かすのが自分の特徴だと思うので、そういったプレーをより出していきたいなと。“汗かき役”じゃないですけど、そういうのも今の代表には必要かなと思います」。

 2月23日。エディオンスタジアム広島。2019年シーズンのJ1リーグ開幕戦で『今日のアシスト』は生まれた。同じシャドーを任された中村慶太のパスを、金子がダイレクトで左へ落とし、北川が左足で冷静にゴールへ流し込む。「アレが本当に典型的なマニュアルじゃないですけど、フリックしたりとか、誰かがフリックした所に自分が入っていくとか、自分がターンしてとか、いろいろなバリエーションが出てくると思います」。見事な連携をしっかり得点に繋げる。「多分今日はアシストしたんで、アイツもお返ししてくれると思います(笑)」。そんな“アイツ”の存在も、金子にとっては今まで以上に意識せざるを得なくなってきている。

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