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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:インパクト(清水エスパルス・金子翔太)

ゲキサカ / 2019年2月27日 20時0分

 昨年10月。金子も「正直代表には程遠い環境だった」と振り返るエスパルスから、岡崎慎司以来となる日本代表に選出されたのが北川。スタートは追加招集だったが、アピールに成功すると以降もコンスタントに呼ばれ続け、年が明けて開催されたアジアカップでもメンバー入りを果たす。「航也が入って、本当に嬉しさと悔しさの両方がありますけど、たぶん悔しさの方が割合的に大きいですね」。正直な想いを口にする金子。身近な存在であることが、より複雑に心情を揺り動かす。

 とはいえ、そこは盟友の晴れ舞台。北川が出ている代表戦は欠かさずチェックしている。「全部見ています。親心じゃないですけど『ちょっとやりにくそうにしているな』みたいな(笑) でも、“今日のアシスト”みたいなのがすべてじゃないですか。航也はたぶんああいう動きをしていたと思うんですけど、チームメイトが自分でガンガン行くタイプですからね。ああいうパスが代表でも欲しいと思うので、そこは逃さないようにしたいなと思っています」。彼の生かし方を語る言葉に、育んできた信頼と友情が透けて輝く。

 今月で生まれてから7か月になる愛息の存在も、小さくない活力となっている。「子供のことはよく聞かれるんですけど」と切り出しながら、「例えば試合でうまく行かなかった時とか、負けた時とかに家に帰って子供の顔を見るとすべて忘れるというか、そこのスイッチが完全にできていて、オンとオフの切り替えじゃないですけど、その“癒し”はかなりありますね。メチャメチャデレデレしてます。めっちゃ可愛いんで!」と饒舌に語る表情は父のそれ。子供のため。家族のため。戦い続ける理由も増えていく。

 改めて自らの武器について尋ねてみる。「僕は攻撃だけやるような選手じゃないですし、ハードワークできるのがプレースタイルなので、パッと見たら10ゴール7アシストという数字が目立つかもしれないですけど、自分の中では守備をしたり、フリーランで走ったり、そういう部分の方が見て欲しい部分で、その中で数字を残すのが目指す所かなと。だから、今年もそのスタイルは変わらないと思います」。

 改めて今年の目標について尋ねてみる。「目標はもう日本代表です。もう二桁得点とかじゃなくて、代表。そのためには、やっぱりゴール数、アシスト数もそうですけど、毎試合の“インパクト”が必要なんじゃないかなと。わかりやすく言うと、伊東純也くんが毎試合相手に与えるダメージは大きいし、敵チームから見てもチャンスメイクの数もやっぱり凄いし、僕は個でバッと行くタイプではないかもしれないですけど、そういう場面も増やしたり、味方と共存しながら相手にダメージを与えるような選手、相手に『コイツ嫌だな』って思わせるような選手になりたいですね」。

 青いユニフォームを纏った選手たちに刺激を受け、悩んで考えた末にはっきりと気付いたのは、自らが持つ武器の大切さ。走って、守って。点を取らせて、点を取って。すべてをこなしたその上で、見せ付けるべきものはもうわかっている。金子翔太。23歳。技術と献身を兼ね備えたアタッカーは、“インパクト”というラストピースを手に入れるべく、2019年シーズンを歩み出した。

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」
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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史
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