1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

Jクラブはトップ選手を育てるだけではない。FC東京が大切にしてきたもうひとつの「受け皿」

ゲキサカ / 2019年3月1日 10時12分

スクール開始直後。FC東京のロゴ入りのユニフォームを着れることが子どもたちの誇りだ

 日本障がい者サッカー連盟は3月2日、サッカーを通じた共生社会の実現を目指し、広島県の佐伯区スポーツセンターで「インクルーシブフットボールフェスタ広島2018」を開催する。「インクルーシブフットボール」とは、障がいの有無や種別などの違いを超え、障がい者と健常者が混合チームで一緒に楽しむサッカー。普段、知的障がい者むけのサッカースクール「あおぞらサッカースクール」を中心となって進めているFC東京普及部の鯨井健太コーチが、障がい児と日常的に接している豊富な経験を買われて、サンフレッチェ広島など地元のコーチやスタッフに交じって招かれた。

 鯨井コーチが所属するFC東京は日韓ワールドカップ(W杯)が開催された2002年、FC東京のおひざ元、調布市とともに知的障がい者とサッカーをする教室を開催。当時は調布市在住の人に限定されていたが、口コミで広がり、世田谷区の「わくわくサッカー教室」、杉並区の「きらきらサッカー教室」と広がっていった。10年間続けたサッカー教室を発展させる形で、2014年からスクール化。現在は毎週火曜日の夕方に「FC東京パーク府中」で開催している。鯨井コーチが明かす。

「単発の教室の場合、その場のコーチと子どもたちの関係性によって子どもたちにとってよかったかどうかが変わってしまいます。定期的にやることで僕たちと子どもたちの関係性が保たれ、深まっていきます。知的障がいがある子は、何かに突出している子が多い。見た目ではわかりづらく、でもそれを周囲に受け入れてもらえないことで自尊心を傷つけられてきている子もいます。そういう子どもたちへの居場所を作りたいという想いで続けてきました。障がいがある子の中には、サッカーがしたいのにする場がなくて困っている子は多い。Jリーグクラブはサッカーを上達させることを求められていると思いますが、加えて、人間教育もできるというところにつなげていきたいです」
熱っぽく語る鯨井健太コーチ
 スクールでは、最初の集合ひとつをとっても一筋縄ではいかない。時間、場所が決まっていても、途中にあるお店に気をとられて集合場所にたどりつかなかったり、ピッチ脇まで来てもなかなか輪に入れない子もいる。ピッチで教えるスタッフとピッチ外にいるスクール生をケアするコーチを用意し、生徒16人に対してコーチは5人。うち1人は、FC東京が知的障がい者の教室をたちあげたときからともに歩み、知的障害児・障害者のサッカークラブの運営に関わり続けるNPO法人「トラッソス」のスタッフも必ず加わる。スクール生がピッチに表れると、コーチたちが歩み寄り、「〇〇君おいで」というところからスタートする。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください