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デフフットサル日本代表候補・鎌塚の恩師、前橋育英・山田監督が明かす「ブレイクした理由」

ゲキサカ / 2019年3月5日 17時18分

普段は校長先生。校長室には数々の栄光を示すように所狭しとカップが並んだ

 11月にスイスで行われるワールドカップで世界一をめざすデフフットサル日本代表候補に急浮上した鎌塚剛史(フットサル・カペッツィオ)の恩師、前橋育英高サッカー部の山田耕介監督がゲキサカのインタビューに応じた。名門・前橋育英ではトップチームに行けなかった選手がなぜ、デフフットサルの日本代表候補にまで上り詰めたのか。2017年度に就任36年目で全国高校選手権優勝に導いた苦労を知る名将が、秘話を語ってくれた。

 卒業アルバムをめくるその表情は、ピッチで見せるそれとは違い、柔らかかった。卒業以来、鎌塚とほとんど連絡をとっていない山田監督は、記者に逆取材してきた。

「カマちゃん(鎌塚)は単身でイタリアに行ったんですか? ウチを卒業した後に海外に行きたいと言ってくる子は結構相談に来るんですが、カマちゃんは来ていない。たくましくなったなあ。高校時代はそうは見えなかった。真面目でいい子でしたけどね」

 鎌塚が在学していた2011年度~2013年度は、1学年約60人。1チーム25人のカテゴリーが5,6個できた。鎌塚の1学年下は全国高校選手権で準優勝。渡邊凌磨(アルビレックス新潟)や鈴木徳真(徳島ヴォルティス)ら、多くのJリーガーを輩出した。鎌塚はそんな猛者の中で上から2番目のチームまであがった。山田監督が振り返る。

「カマちゃんにはテクニックがあったんですが、当時は線が細くてどうしても吹っ飛ばされてしまう。彼が耳が悪いということは入学前から聞いていて、コーチたちとも常に情報交換はしていましたが、彼からそのことを言ってくることはなかった。私たちも普通の生徒と同じように怒ったり、励ましたりしていましたよ。この代強くて、プリンスリーグも関東一部ではダントツ1位。下に柏、マリノス、レッズのユースがいましたから。全国高校選手権だけ、県の決勝で桐生一高に負けてしまって、出られなかったんですが、それが不思議なくらいのレベルでした。(選手権に)出ていれば優勝できたかもしれません」

 鎌塚は全国のトップレベルの猛者に交ざり、光があたる場所には届かなかった。それでも山田監督は、鎌塚に伸びる素質を感じ取っていた。

「サッカーでは直接指導することはほとんどなかったんですが、印象に残っていることがあるんです。毎年3年生は必ず全員と進路を決める2者面談を何度かするんですが、彼はとにかく聞く姿勢、『聞く構え』がよかった。あごをひいて、相手の目を見るその姿勢がね。『聞く構え』に、『心の構え』が表れますから」

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